不動産の情報の集め方

実際に検索されている53件の疑問を、ひとつ残らず見出しにして並べています。
不動産の情報は、取れるものと取れないものに分かれる
不動産の情報を探すとき、まず誰でも取れる不動産の情報と、業者しか見られないものの線を引く。ここがはっきりすると、探し方が変わる。
不動産で誰でも取れるもの。登記事項証明書と公図は法務局で、固定資産評価証明書は市町村で、公示価格と取引価格情報は国土交通省の不動産情報ライブラリで、相続税路線価は国税庁の路線価図で、用途地域や都市計画は各自治体の都市計画情報で確認できる。登記事項証明書は本人でなくても取得できる。これだけの情報が、無料または数百円で手に入る。
業者しか見られないのがレインズである。正式には指定流通機構といい、国土交通大臣が指定した機関が運営している。専任媒介なら7日以内、専属専任媒介なら5日以内の登録義務がある。一般の人は直接見られないが、売主であれば登録証明書の物件番号とパスワードで自分の物件の登録状態を確認できる。成約価格の統計は誰でも見られる。
自分の情報が漏れないかという心配について。宅地建物取引業法第45条は、宅地建物取引業者に業務上知り得た秘密を正当な理由なく他に漏らしてはならない義務を課している。この義務は廃業した後も続く。加えて個人情報保護法の適用も受ける。
ただし査定を一括で依頼するサービスでは、入力した情報が複数の会社に同時に渡る。それが仕組みなので違法ではないが、各社から連絡が来ることは前提になる。匿名で使えるとうたうものは、統計から出した推計を返しているだけで査定ではない。
広告に書かれた情報にもルールがある。徒歩の分数は、不動産の表示に関する公正競争規約により道路距離80メートルにつき1分として計算し、1分未満の端数は切り上げると定められている。信号待ちや坂道は考慮されないので、実際にかかる時間は長くなることがある。
また同法第34条により、広告には取引態様(売主・代理・媒介のどれか)を明示しなければならない。ここを見れば、その会社が売主なのか仲介なのかが分かる。売主が業者であれば8種制限が働くので、買主にとっては保護の範囲が変わる。
不動産の情報の非対称性という言葉。売る側と買う側で、持っている情報の量が最初から違う。売主はその不動産に何年も住み、業者は取引の相場と手続きを知っている。買主はどちらも知らないまま、人生で何度もない大きな買い物をする。重要事項の説明(宅地建物取引業法第35条)も、広告の規制(同法第32条)も、クーリング・オフ(同法第37条の2)も、すべてこの差を埋めるために法律が用意した仕組みである。不動産の取引だけがここまで規制されている理由がここにある。
不動産の情報の見方。広告を読むときに順に確かめるのは5つ。① 取引態様(売主・代理・媒介のどれか)② 情報公開日と次回更新予定日③ 徒歩分数(道路距離80メートルにつき1分・端数切り上げ)④ 面積が壁芯か内法か⑤ 免許番号。この5つは広告に書くことが決まっているので、書かれていない広告そのものが情報になる。
業者間のネットワークにはいくつか名前がある。国土交通大臣が指定した不動産流通機構は全国に4つあり、地域ごとに別の呼び名で運営されている。一般の人が直接見ることはできないが、売主は登録証明書の物件番号とパスワードで自分の不動産の登録状態を確認できる。成約価格の統計は誰でも見られる。
自分の情報をどこまで渡すか。宅地建物取引業者には守秘義務があり(同法第45条)、この義務は廃業した後も続く。個人情報保護法の適用も受ける。ただし一括査定は入力した情報が複数社に渡ることが前提の仕組みで、それ自体は違法ではない。連絡先を渡す前に、相手が免許を持つ業者かどうかを国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで確かめられる。
不動産の情報を「見る」と「取る」は別のこと。登記の内容を閲覧するだけなら法務局の登記情報提供サービスで、その場でPDFになる。証明書として提出する必要があるなら登記事項証明書を取得する。閲覧は安く早い、証明書は手続きに使える。どちらが要るのかを先に決めると、窓口に行く回数が減る。
不動産の情報源を、出どころで並べる。国が出すもの——国土交通省の不動産情報ライブラリと土地総合情報システム、国税庁の路線価図、法務局の登記情報。自治体が出すもの——固定資産評価証明書、名寄帳、都市計画情報、ハザードマップ。業界団体が出すもの——不動産流通機構の成約統計。民間が出すもの——ポータルサイト、業界紙、住宅情報誌。このうち上の3つは無料または実費で、広告ではないので売り込みが混ざらない。
「センター」「バンク」「ナビ」といった名前について。不動産の会社名やサービス名に規制はないので、公的な響きの語を自由に付けられる。公的機関を示すものではない。例外は自治体が運営する空き家バンクで、これは市町村が空き家の情報を集めて公開する制度である。見分ける方法は決まっている——宅地建物取引業を営むには免許が必要なので、国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで商号と免許番号を照合する。そこに出てこなければ免許を受けていない。
自宅を持つ人に届く情報。毎年4月から6月ごろに固定資産税の納税通知書が届き、課税明細書にその不動産の評価額が載っている。これは自分の不動産について毎年届く唯一の公的な数字なので、捨てずに残しておく。登記の名義や抵当権の状態は自動では通知されないので、必要なときに自分で登記事項証明書を取る。
不動産の登記は公開情報である。誰でも取得できるということは、自分の氏名と住所も誰でも見られるということでもある。所有者宛にダイレクトメールが届くのはこのためで、それ自体は情報の漏洩ではない。漏洩にあたるのは、業務上知り得た秘密を業者が正当な理由なく漏らした場合(宅地建物取引業法第45条)や、個人情報の管理に不備があった場合である。
不動産の情報がどこから出ているかで、性格が変わる。国と自治体が出すもの——事実と統計。広告ではない。業界団体が出すもの——成約価格の集計。民間のポータルと住宅情報誌——売り出し中の物件。広告である。不動産会社が自社サイトで出すもの——その会社が元付である可能性が高い。広告に記載された取引態様(売主・代理・媒介)を見れば立場が分かる。
名前で判断しない。不動産の会社名やサービス名に規制はないので、「センター」「バンク」「ナビ」「倉庫」「プラザ」といった公的な響きの語を自由に付けられる。例外は自治体が運営する空き家バンクで、これは市町村の制度である。見分ける方法は決まっている——国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで商号と免許番号を照合する。そこに出てこなければ免許を受けていない。
連絡先を渡すとき。メールでもLINEでも、問い合わせをすれば相手にその連絡先が渡る。宅地建物取引業者には守秘義務があり(宅地建物取引業法第45条)、個人情報保護法の適用も受ける。一括査定は入力した情報が複数社に渡ることが前提の仕組みで、それ自体は違法ではない。
不動産の情報を、媒体で分けると。紙——住宅情報誌、折込チラシ、業界紙。掲載までに時間がかかるので、手に取った時点ですでに成約していることがある。ウェブ——ポータル、会社の自社サイト、公的なサイト。更新は速いが、掲載されているのは売り出し価格であって成約価格ではない。人——不動産会社の担当者。売り出す前の相談段階の情報は、ここにしか無い。
会社名で判断しない。不動産の会社名やサービス名に規制はないので、公的な響きの語を自由に付けられる。確かめる方法は決まっている——国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで商号と免許番号を照合する。そこに出てこなければ免許を受けていない。
不動産の情報を、公的なデータベースから。国土交通省——不動産情報ライブラリ(取引価格・地価・ハザード)、土地総合情報システム、建設業者・宅建業者等企業情報検索システム(免許の実在と行政処分)。国税庁——路線価図。法務局——登記情報提供サービス、登記事項証明書。市町村——固定資産評価証明書、名寄帳、都市計画情報。不動産流通機構——成約価格の統計。このうち多くは登録も費用も要らない。
やりとりの手段。メールでもLINEでも、不動産の問い合わせの手段に決まりはない。ただし連絡先を渡せば相手にその情報が渡る。宅地建物取引業者には守秘義務があり(同法第45条)、個人情報保護法の適用も受ける。問い合わせ先が免許を持つ業者かどうかは、渡す前に検索システムで確かめられる。
登記の内容は誰でも見られる
登記事項証明書は所有者本人でなくても取得できる。所有者の氏名、住所、抵当権の有無まで記録されている。取るには住所ではなく地番・家屋番号が要る。
名称に規制はない
「センター」「館」「協会」といった名称は民間の会社が自由に付けられる。公的機関を示すものではない。免許の実在は国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで照合できる。
登記情報提供サービスは、証明書ではない
法務局の登記情報提供サービスで、登記の内容をその場でPDFとして取得できる。証明書ではないので登記申請や公的な手続きには使えないが、中身を確かめるだけなら窓口より安く早い。
徒歩1分は80メートル
不動産の表示に関する公正競争規約により、道路距離80メートルにつき1分として計算し、1分未満の端数は切り上げる。信号待ちや坂道、踏切の待ち時間は考慮されないので、実際にかかる時間は長くなることがある。
業者には守秘義務がある
宅地建物取引業法第45条は、業務上知り得た秘密を正当な理由なく漏らしてはならないと定める。この義務は廃業した後も続く。加えて個人情報保護法の適用も受ける。ただし一括査定では入力した情報が複数社に渡るのが仕組みである。
情報公開日と次回更新予定日
広告には情報公開日と次回更新予定日が記載される。不動産の表示に関する公正競争規約により、広告の内容が最新であることを示すための表示である。更新予定日を過ぎている広告は、すでに成約している可能性がある。
誰が、何を閲覧できるのか
誰でも閲覧できるもの。登記事項証明書、公図、地積測量図、公示価格、路線価、ハザードマップ、都市計画図、取引価格情報(不動産情報ライブラリ)、成約価格の統計。
所有者だけ。固定資産課税台帳(名寄帳)。
宅地建物取引業者だけ。レインズの物件情報。
登記情報の閲覧は有料。登記事項証明書は窓口600円、オンライン請求・郵送480円、オンライン請求・窓口交付480円。登記情報提供サービスは証明書としての効力は無いが安く見られる。
不動産の情報を閲覧するのに、所有者の許可は要らない。登記は公示するための制度だからである。
確かめる方法は決まっている
宅地建物取引業を営むには免許が必要である。国土交通省の検索システムで商号と免許番号を照合し、出てこなければ免許を受けていない。行政処分の履歴もそこで確認できる。
無料に見えるサービスの、対価は何か
不動産の情報に関するサービスは、無料と有料が混ざっている。
公的で無料または実費。不動産情報ライブラリ(国土交通省)、路線価図(国税庁)。登記情報提供サービスは有料だが安い。
民間で無料に見えるもの。一括査定サイトは利用者から料金を取らない。不動産会社が申込みごとに料金を払う仕組みになっている。だから申し込むと複数社から連絡が来る。
何が対価になっているか。不動産の情報サービスが無料の場合、対価は利用者の連絡先である場合が多い。入力する前に、どこに渡るのかを確かめる。
業者が見ているシステムは別にある
不動産会社が日常的に見ているのは、一般の人が見るポータルサイトとは別のシステムである。
レインズ。指定流通機構が運営する物件情報のネットワーク。会員の宅地建物取引業者だけが閲覧・登録できる。
業者間の流通システム。民間の会社が運営しているものもある。いずれも宅地建物取引業の免許が必要で、一般には開放されていない。
だから差が生まれる。不動産の情報は、業者が先に見て、そこから広告として一般に出る。この構造は制度としてそうなっている。
囲い込みと守秘義務は別の問題
他社からの問い合わせを断って紹介しない行為を囲い込みという。依頼者の利益に反するため、国土交通省は指定流通機構への取引状況の登録を義務づけるなどの対策を進めている。売主はレインズの登録証明書で登録状態を自分で確認できる。
不動産情報ライブラリは無料で見られる
国土交通省が運営し、取引価格、公示価格、都道府県地価調査、ハザード情報を地図上で重ねて見られる。登録も費用も要らない。
この項目で扱っている「情報」とは何か
このページでいう不動産の情報とは、物件そのものの情報だけではない。
4つに分かれる。①物件の情報(所在・面積・築年・価格)②権利の情報(登記・抵当権・共有)③制限の情報(用途地域・道路・建築の可否)④相場の情報(公示価格・路線価・成約価格)。
①だけがポータルに載る。②③④は自分で調べる。調べ方はどれも公的機関に用意されていて、登記は法務局、制限は市区町村、相場は国土交通省と国税庁。
不動産の情報を集めるとは、①に②③④を自分で足していく作業である。
情報の非対称性は、どこから来るのか
不動産の取引では、売る側と買う側が持っている情報の量が最初から違う。
売る側が知っていること。その不動産に住んだ年数、雨漏りの履歴、近隣との関係、過去にいくらで買ったか、いくらまで下げられるか。
買う側が見られるもの。広告に書かれた情報と、内見で見た範囲だけ。
制度はこの差を埋めようとしている。重要事項説明(宅地建物取引業法第35条)は、買う側が知らないことを宅地建物取引士が調べて説明する制度である。買主が不利益を受ける事実を故意に告げない行為は同法第47条で禁じられている。
それでも残る差。制度が埋めるのは「調べれば分かること」まで。近隣との関係や生活音は、不動産の情報として書面には出てこない。現地に行く回数でしか埋まらない。
情報が早い人は、どこで早いのか
不動産の情報の早さは、3つの段階で決まる。
①売主が売ると決めた時点(会社しか知らない)②レインズに登録された時点(宅地建物取引業者だけが見られる)③広告に出た時点(誰でも見られる)。
①で知るには。探している条件を、複数の会社に具体的に伝えておく。「良いのがあれば」では動かない。エリア・広さ・価格・時期を数字で伝える。
②と③の差。数日から1週間程度。人気のある不動産は、この間に決まることがある。
広告に書いてあることの読み方
不動産の情報には、書き方の決まりがあるものと、無いものが混ざっている。
決まりがあるもの。徒歩の分数は80mを1分として計算し、端数は切り上げる(不動産の表示に関する公正競争規約)。信号待ちや坂は考慮されない。面積は壁芯か内法かで数字が変わる。築年月は登記または確認済証に基づく。
決まりが無いもの。「駅近」「閑静」「日当たり良好」。これらは主観なので、写真と現地で自分が確かめる。
取引態様を必ず見る。売主・代理・媒介のどれか。不動産の情報を出している会社が売主本人なのか間に入っているのかで、手数料の有無と交渉の相手が変わる。
「流通」と名の付くものの正体
不動産の分野で「流通」という語が付くものは、たいてい指定流通機構(レインズ)に関わっている。
指定流通機構は4つある。東日本・中部圏・近畿圏・西日本。国土交通大臣が指定した公益法人が、物件情報のネットワークを運営している。
会員でないと物件は見られない。不動産の情報そのものを閲覧できるのは宅地建物取引業者だけ。一般の人が見られるのは成約価格の統計に限られる。
「流通推進」と付くもの。公益財団法人不動産流通推進センターは、一般向けの情報サイトを運営している。こちらは誰でも見られる。
問い合わせで渡した情報はどこへ行くか
不動産の問い合わせで入力するのは、氏名・連絡先・希望条件・年収などである。
どこまで渡るか。一括査定サイトの場合、申し込んだ時点で複数の会社に同時に渡る。何社に渡るかは、申込みの画面に書いてある。
渡る前に見るところ。個人情報の取扱いのページに、第三者提供の有無と提供先の範囲が書いてある。
減らす方法。最初は電話番号を出さずメールだけにする、1社ずつ問い合わせる、物件の質問だけなら会社の問い合わせフォームを直接使う。不動産の情報を得るために、必要以上の情報を出さなくてよい。
新着の通知は、どこまで早いか
不動産のポータルサイトには、条件を登録すると新着を知らせる機能がある。
ただしポータルに出た時点で通知される。レインズに登録されてから広告になるまでの時間差は縮まらない。
もっと早く知る方法。不動産会社に条件を伝えておくと、レインズに載った段階、あるいは載る前に連絡が来ることがある。元付の会社は、媒介契約を結んだ時点で知っている。
設定で気をつけること。条件を絞りすぎると、少し外れただけの物件が届かなくなる。不動産の情報は、価格の上限を少し広げておくほうが拾える。
会社が情報を出す義務と、出さない自由
出す義務があるもの。重要事項説明で説明すべき事項(宅地建物取引業法第35条)。買主が不利益を受ける事実を故意に告げないことは同法第47条で禁じられている。媒介契約を結んだ売主への業務報告(専任は2週間に1回以上、専属専任は1週間に1回以上)。
出さなくてよいもの。他の申込みが何件入っているか、売主がいくらまで下げる意思があるか。不動産の情報のうち、交渉に関わるものは開示の義務がない。
だから聞き方が効く。「他に申込みはありますか」は答えなくてよい質問だが、「この価格はいつから出ていますか」は広告に書いてある事実なので答えが返る。
数字より先に、日付を見る
情報公開日と次回更新予定日。不動産の広告にはこの2つが表示される。次回更新予定日を過ぎたまま残っている情報は、手が入っていない可能性がある。
掲載期間の長さ。長く出ている物件は、その価格で買い手が付いていないという情報でもある。値下げの余地を示す場合がある。
同じ物件が複数の会社から出ている。物件が複数あるのではない。複数の会社が客付として広告を出しているだけである。所在地・面積・築年月を突き合わせれば同一かどうかが分かる。
買う側が差を縮める4つの手
不動産の情報の差は、調べる先を増やすことで縮む。
①登記事項証明書を自分で取る。誰でも取れる。所有者が何回変わったか、抵当権がいくら付いているかが分かる。
②成約価格を見る。売り出し価格ではなく、実際に売れた価格。不動産情報ライブラリとレインズの公開情報で調べられる。
③役所で制限を聞く。用途地域、道路の種類、再建築ができるか。重要事項説明で説明される内容だが、契約の前に自分で聞けば判断が早くなる。
④時間帯を変えて現地に行く。平日の朝、休日の昼、夜。不動産の情報のうち、書面に出ないものはここでしか取れない。
情報源は3つに分けて持つ
不動産の情報は、出どころで信頼できる範囲が変わる。
①公的機関。国土交通省の不動産情報ライブラリ(取引価格・公示価格・ハザード)、国税庁の路線価図、法務局の登記事項証明書、市区町村の窓口。誰でも取れて、無料または実費。
②業界団体。不動産流通機構(レインズ)が公開している成約価格の統計、公益財団法人不動産流通推進センター、都道府県の宅建協会。売るための広告ではないので、書き方が中立に寄る。
③民間のポータルと会社のサイト。売り出し中の物件を探すのに向く。ただし載っているのは売り出し価格である。
価格の裏を取るなら①、相場を掴むなら②、物件を探すなら③。不動産の情報は、この順で使い分ける。
物件の情報は、どう流れているか
不動産の情報の流れには、決まった順番がある。
売主 → 媒介契約 → 不動産会社 → 指定流通機構(レインズ)へ登録 → 他社が閲覧 → 客付の会社が広告 → ポータルサイト → 買主。
登録の義務。専任媒介は7日以内、専属専任媒介は5日以内に指定流通機構へ登録しなければならない(宅地建物取引業法第34条の2)。一般媒介には登録の義務がない。
だから時間差が出る。レインズに載ってからポータルに出るまでに数日ある。不動産の情報を早く知りたい場合、その差が問い合わせのタイミングになる。
売買のときに要る情報と、賃貸のときに要る情報
売買で要る情報。権利関係(登記)、境界、法令上の制限、再建築ができるか、成約価格の相場、税金と諸費用。
賃貸で要る情報。初期費用、更新料、設備の状態、管理会社の対応。
決定的に違うところ。不動産の売買では、権利と制限を自分が引き継ぐ。賃貸は借りている間だけの話で終わる。だから売買では、登記と役所の調査に時間をかける意味がある。
いつお金が動くのかも情報のうち
不動産の売買の代金は、契約時に手付金、決済時に残代金という順で動く。
売主の口座に入金されるのは決済の当日である。着金を確認してから鍵と書類を渡すので、その場で通帳やネットバンキングを確認することになる。
売り出しの段階で「いつ現金になるか」を逆算しておくと、住み替えや納税の日程を組みやすい。
不動産の情報を、どこまで信じるか。出どころで分けると判断が早い。国と自治体が出すもの——事実と統計。広告ではない。業界団体が出すもの——成約価格の集計。民間のポータルと住宅情報誌——売り出し中の物件。広告である。不動産会社の自社サイト——その会社が元付である可能性が高い。広告に記載された取引態様(売主・代理・媒介)を見れば立場が分かる。
紙の媒体は時差がある。住宅情報誌や折込チラシは掲載までに時間がかかるので、手に取った時点ですでに成約していることがある。ウェブは更新が速いが、掲載されているのは売り出し価格であって成約価格ではない。売り出す前の相談段階の情報は、どの媒体にも出てこない。そこは人にしかない。
会社名やサービス名で判断しない。不動産の会社名に規制はないので、「センター」「バンク」「ナビ」「倉庫」「プラザ」といった公的な響きの語を自由に付けられる。例外は自治体が運営する空き家バンクで、これは市町村の制度である。確かめる方法は決まっている——国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで商号と免許番号を照合する。そこに出てこなければ免許を受けていない。行政処分の履歴もそこに出る。
連絡先を渡すときに知っておくこと。メールでもLINEでも、問い合わせをすれば相手にその連絡先が渡る。宅地建物取引業者には守秘義務があり(宅地建物取引業法第45条)、この義務は廃業した後も続く。個人情報保護法の適用も受ける。ただし一括査定は入力した情報が複数社に渡ることが前提の仕組みで、それ自体は違法ではない。匿名で使えるとうたうものは、統計から出した推計を返しているだけで査定ではない。
不動産の登記は公開情報である。誰でも取得できるということは、自分の氏名と住所も誰でも見られるということでもある。所有者宛にダイレクトメールが届くのはこのためで、それ自体は情報の漏洩ではない。漏洩にあたるのは、業務上知り得た秘密を業者が正当な理由なく漏らした場合や、個人情報の管理に不備があった場合である。
売主に入るのは決済の当日
契約時に手付金、決済時に残代金という順で動く。決済の場で着金を確認してから鍵と関係書類を引き渡す。そのため当日は通帳やネットバンキングで確認することになる。
連絡先を渡す前に
不動産の問い合わせをLINEやメールですれば、相手にはその連絡先が渡る。
宅地建物取引業者には宅地建物取引業法第45条の守秘義務と個人情報保護法の適用があるが、問い合わせ先が免許を持つ業者かどうかは先に確かめられる。国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで、商号と免許番号を照合できる。
一括査定のサービスでは、入力した情報が複数の会社に同時に渡る。それが仕組みなので、各社から連絡が来ることは前提になる。
「センター」を名乗っていても、公的機関とは限らない
「不動産情報センター」「不動産情報館」といった名称は、民間の会社が自由に付けられる。公的機関を示すものではない。
確かめる方法は決まっている。宅地建物取引業を営むには免許が必要なので、国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで商号と免許番号を照合する。そこに出てこなければ、免許を受けていない。
公的なものは、国土交通省の不動産情報ライブラリ、国税庁の路線価図、法務局の登記情報提供サービス、そして指定流通機構(レインズ)が公表する成約統計である。