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不動産のその他の項目

不動産売買のその他の項目|個人間売買、親族間売買、贈与とみなされる場合

実際に検索されている42件の疑問を、ひとつ残らず見出しにして並べています。

最終更新 2026年8月23日 / 見出し 3 + 42 / この項目で扱う語 42件

不動産売買の、そのほかの論点

ここには、不動産でこれまでの分類に収まらないが実際に問題になる項目を集めている。

不動産を個人間で直接売買できるのか。できる。不動産を扱うのに免許が必要なのは、報酬を得る目的で反復継続して媒介を行う場合である(宅地建物取引業法第2条第2号・第3条)。自分の不動産を自分で売ることに免許は要らない。ただし重要事項の調査、契約書の作成、登記の段取りをすべて自分でやることになる。登記は司法書士に別途依頼するのが通常である。

不動産の親子間・親族間の売買には、別の壁がある。相続税法第7条により、著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合、時価との差額は贈与とみなされて課税される。「1円で売買」「0円で譲渡」という形をとっても、税務上は時価で判断される。また親族間の売買は住宅ローンの審査が通りにくい。実質的な贈与や、資金の還流を防ぐためである。

不動産の役所調査とは何をするのか。その不動産の重要事項説明書に書く内容の、裏を取る作業である。市町村で用途地域、建ぺい率・容積率、都市計画道路の予定、上下水道とガスの引込み状況を確認し、道路の種別と幅員を調べ、法務局で登記と公図を取る。重要事項説明書は、この調査の結果を書き写したものになる。

不動産の火災保険は引き継げるのか。不動産にかけた売主の火災保険は解約して、買主が新たに契約するのが原則である。売主は残りの期間に応じた保険料の返還を受けられる。ただし引渡しの日と保険の開始日にすき間ができると無保険の期間が生じるので、日付を合わせる。

不動産のマイナンバーはいつ必要になるのか。不動産の売買そのものには要らない。必要になるのは、売主が売却代金を受け取って翌年に確定申告をするときである。不動産会社が支払調書を提出する場合にも提供を求められることがある。契約の段階で求められたら、何に使うのかを確かめてよい。

不動産のクーリング・オフは、限られた場面にしか働かない。宅地建物取引業法第37条の2の制度は、売主が宅地建物取引業者で、買主が業者でなく、かつ事務所等以外の場所で申込みまたは契約をした場合に限られる。書面で告げられた日から8日を経過すると、あるいは物件の引渡しを受けて代金を全額支払うと、できなくなる。個人が売主の取引には、そもそも適用されない。

不動産の取引が動く時期には偏りがある。転勤と入学に合わせて1月から3月に集中し、9月から11月に次の山が来る。件数が多い時期は買い手も多いので売る側に有利に働きやすく、閑散期は競合が少ないので買う側が交渉しやすい。ただしどちらも傾向であって、個別の物件では立地と価格のほうがはるかに効く。

不動産の中抜きと抜き行為。抜き行為とは、他社が媒介契約を結んでいる依頼者に直接接触して自社に乗り換えさせる行為をいう。依頼者の利益に反するため、業界団体の規則で禁じられている。

不動産の売買でよく出る業界語。不動産の元付は売主から直接依頼を受けた業者、客付は買主を見つけてくる業者。分かれは元付と客付がそれぞれの依頼者から報酬を受け取る形、両手は1社が双方から受け取る形である。どちらでも、一方から受け取れる上限そのものは変わらない。

不動産の売買が難しいと言われる理由。不動産は金額が大きく、同じものが二つとなく、一生に何度もない取引で、関わる法律が民法・宅地建物取引業法・不動産登記法・借地借家法・建築基準法・都市計画法・税法と広い。そのうえ売る側と買う側で持っている情報の量が違う。だから重要事項の説明や広告の規制といった仕組みが法律で用意されている。

不動産の取引の記録はどこに残るのか。所有権が移った事実は不動産の登記簿に残り、誰でも登記事項証明書で確認できる。価格は登記簿には載らないが、国土交通省の不動産情報ライブラリに成約価格をもとにしたデータとして公開される(個別の物件が特定されないよう丸められている)。宅地建物取引業者は帳簿を備え、取引のあった年度の末日から5年間(自ら売主となる新築住宅は10年間)保存する義務がある。

不動産では5年という区切りが2か所に出てくる。1つは譲渡所得の税率で、譲渡した年の1月1日時点の所有期間が5年を超えるかで長期と短期に分かれる。もう1つは宅地建物取引業の免許の有効期間で、こちらも5年である。同じ「5年」でもまったく別の話なので混ぜない。

不動産の売買で源泉徴収が要る場合がある。売主が非居住者または外国法人で、譲渡対価が1億円を超える場合(買主が自己または親族の居住用として取得する場合を除く)、買主は代金の10.21%を源泉徴収して納付する義務を負う。売主が国内に住んでいるかどうかを確かめる必要があるのはこのためである。

不動産に付いた設備の名義変更を忘れない。太陽光発電設備が付いている不動産では、売買とは別に固定価格買取制度(FIT)の認定事業者の変更手続きが要る。電力会社との受給契約も引き継ぎまたは再締結になる。引渡しだけ済ませて手続きを忘れると、売電収入が前の所有者に入り続ける。

不動産は誰に頼むかで扱いが変わる。不動産の売買の条件は宅地建物取引業者、登記は司法書士、税額は税理士、争いになれば弁護士。判断能力が落ちている人の不動産を売るには成年後見人の選任が要り、居住用なら家庭裁判所の許可も必要になる。意思が確認できるうちなら委任状で代理人を立てられる。

不動産の売買のやり方を、最短で言うと。売る側は、査定 → 媒介契約 → 売り出し → 申込みの受領 → 売買契約 → 決済と引渡し。買う側は、資金計画 → 物件探し → 内見 → 申込み → 事前審査 → 重要事項説明 → 売買契約 → 本審査 → 決済と引渡し。どちらも「契約」と「決済」の2回、当事者が同じ場に集まる。

不動産の売買で押さえる決まりを5つに絞ると。① 契約が成立するのは署名押印と手付金の交付の時点(買付証明書や売渡承諾書では成立しない)。② 手付は相手が履行に着手するまでなら放棄または倍返しで解除できる(民法第557条)。③ 業者が売主で買主が業者でないなら手付は代金の20%まで(宅地建物取引業法第39条)。④ 重要事項の説明は契約が成立するまでの間に宅地建物取引士が行う(同法第35条)。⑤ 登記しなければ第三者に対抗できない(民法第177条)。

大手に頼めば安心か。会社の規模と、その不動産が売れるかどうかは別の話である。見るべきは、同じ地域・同じ種類の成約事例を何件示せるか。大手は広告網と買い替えの受け皿を持ち、地元の会社はその地域の実際の取引と売り出す前の情報を持っていることがある。

連帯保証人が要る場面。不動産の売買そのものに連帯保証人は要らない。必要になるのは住宅ローンを組むときで、収入合算やペアローンにすると一方が返せなくなってももう一方が全額の責任を負う。離婚しても金融機関との関係では責任は消えない。賃貸では、連帯保証人か保証会社のどちらかを求められる。

本人が判断できないとき。不動産の売買契約は意思能力がなければ結べない。判断能力が失われていれば成年後見人の選任が必要で、居住用不動産の処分には家庭裁判所の許可も要る。意思が確認できるうちであれば、入院中でも委任状によって代理人を立てられる。委任状には実印を押し、印鑑証明書を添える。90歳でも年齢そのものに制限はない。

不動産の売買のルールを5つに絞ると。① 契約が成立するのは署名押印と手付金の交付の時点② 手付は相手が履行に着手するまでなら放棄または倍返しで解除できる(民法第557条)③ 業者が売主で買主が業者でないなら手付は代金の20%まで(宅地建物取引業法第39条)④ 重要事項の説明は契約が成立するまでの間に宅地建物取引士が行う(同法第35条)⑤ 登記しなければ第三者に対抗できない(民法第177条)。この5つを押さえておけば、大きく外れることはない。

5年という区切り。譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるかで長期譲渡所得と短期譲渡所得に分かれる。5年以内に売ると税率が高くなるのはこのためである。宅地建物取引業の免許の有効期間も5年だが、これはまったく別の話なので混ぜない。

本人が判断できないとき。不動産の売買契約は意思能力がなければ結べない。判断能力が失われていれば成年後見人の選任が必要で、居住用不動産の処分には家庭裁判所の許可も要る。認知症が進んでからでは委任状も使えないため、意思が確認できるうちに代理人を立てておく。委任状には実印を押し、印鑑証明書を添える。

やりとりの記録を残す。メールやLINEで条件をやりとりした場合も、最終的な合意は契約書に落とす。契約の内容を後から変えるときは覚書や変更契約書を作る。口頭で合意しただけでは、後から言った言わないになる。

不動産の売買をわかりやすく言うと。「所有権を、代金と引き換えに移す」——これだけである。そこに、その不動産が本当にその人のものか(登記)、本当に払えるか(融資)、あとで困る事情はないか(重要事項)、の3つの確認が付いている。不動産の手続きが複雑に見えるのは、この3つを確かめるためである。

不動産のやりとりの記録。条件をメールやLINEでやりとりしても、最終的な合意は契約書に落とす。内容を後から変えるときは覚書や変更契約書を作る。口頭で合意しただけでは、後から言った言わないになる。

不動産をネット上で売買する仕組み。不動産の売主と買主を直接つなぐサービスや、入札形式で買主を募る仕組みもある。ただし媒介にあたる行為を業として行うなら免許が要る。重要事項の説明も宅地建物取引士が行う必要がある。2022年5月からは電磁的方法での書面交付が認められたので、IT重説と組み合わせれば非対面で契約できるようになった。それでも決済と登記の段取りは変わらない。

不動産のやりとりをメッセージで済ませるとき。不動産の条件のやりとりに使う手段そのものに決まりはない。ただし重要事項説明書と契約書面は法定の書面なので、書面または相手方の承諾を得た電磁的方法で交付される。不動産の最終的な合意は契約書に落とす。口頭やメッセージだけでは、後から言った言わないになる。

大手と地元、どちらが向くかは物件で変わる

大手の不動産会社が強いところ。買いたい人を全国から集める力、同じ会社の他の支店が抱えている顧客、広告に使える予算。都市部のマンションのように買い手が広く分布する物件では効く。

地元の不動産会社が強いところ。その地域で誰が買いたがっているかを知っていること。農地の隣接地、古家付きの土地、道路付けに癖のある土地——買い手が「近所の誰か」に限られる不動産では、地元のほうが早い。

レインズがあるので、情報は共有される。専任媒介・専属専任媒介なら指定流通機構に登録されるので、どこに頼んでも他社が見られる状態にはなる。不動産会社によって差が出るのは「誰に声をかけるか」の部分である。

引き継がず、掛け直す

売主の火災保険は解約し、買主が新たに契約するのが原則。売主は残りの期間に応じた保険料の返還を受けられる。引渡しの日と保険の開始日にすき間ができると無保険の期間が生じるので日付を合わせる。

免許は要らない。ただし全部自分でやる

免許が必要なのは報酬を得る目的で反復継続して媒介を行う場合である。自分の不動産を自分で売ることに免許は要らない。ただし重要事項の調査、契約書の作成、登記の段取りをすべて自分でやることになる。登記は司法書士に別途依頼するのが通常である。

土地は非課税

土地の売買は消費税が非課税である。建物には課税されるが、売主が個人で事業として売っているのでなければ消費税はかからない。売主が業者の場合は建物部分に課税される。

年に2回の山がある

1月から3月は転勤と入学に合わせた動き。9月から11月は秋の異動と年内に引渡しを済ませたい層の動きが重なる。価格そのものは季節では決まらない。変わるのは件数と競合の多さである。

売買そのものには要らない

必要になるのは、売主が翌年に確定申告をするときである。不動産会社が支払調書を提出する場合にも提供を求められることがある。契約の段階で求められたら、何に使うのかを確かめてよい。

重要事項の裏を取る作業

市町村で用途地域、建ぺい率・容積率、都市計画道路の予定、上下水道とガスの引込み状況を確認し、道路の種別と幅員を調べ、法務局で登記と公図を取る。重要事項説明書は、この調査の結果を書き写したものになる。

用語は別ページにまとめてある

元付、客付、分かれ、両手、マイソク、レインズ、NOI、CAPレート、LTV といった業界語は、条文の裏付けとあわせて「不動産の用語」のページで1語ずつ説明している。

元付と客付が、それぞれの依頼者から受け取る

1社が双方から受け取る両手に対して、報酬が「分かれる」形をいう。1社が受け取る額は両手のおよそ半分になるが、依頼者が払う額は変わらない。

時価と著しく違えば、差額が贈与になる

相続税法第7条により、著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合、時価との差額は贈与とみなされて課税される。また親族間の売買は住宅ローンの審査が通りにくい。実質的な贈与や資金の還流を防ぐためである。

解除の機能を持つお金

民法第557条により、相手方が履行に着手するまでは買主は放棄、売主は倍額を提供して解除できる。売主が業者で買主が業者でない場合は、宅建業法第39条により代金の20%を超えてはならない。

実際の取引を見る2つのルート

国土交通省の取引価格情報。実際に不動産を売買した人へのアンケートを基にしていて、不動産情報ライブラリで地図から探せる。所在は町名までで、面積は幅を持たせた形(「100〜120㎡」など)で公開される。

不動産流通機構の成約価格情報。レインズに登録された不動産の成約データを統計として公開している。マンションと戸建てについて、沿線・駅・面積・築年数で絞って見られる。

どちらも売り出し価格ではない。ポータルに出ている価格は「この値段で売りたい」であって、実際に売れた値段ではない。2つを混ぜて不動産の相場を考えると、実勢より高いところに基準を置くことになる。

売主が業者で、事務所以外で申し込んだ場合だけ

不動産の売買におけるクーリング・オフ(宅地建物取引業法第37条の2)は、売主が業者、買主が業者でない、かつ事務所等以外の場所で申込みまたは契約をした場合に限られる。書面で告げられた日から8日で、あるいは引渡しを受けて代金を全額支払うとできなくなる。個人が売主の取引には適用されない。

件数より、動く時期のほうが分かる

全国の不動産の取引件数は公表されている。法務省が登記の件数を「登記統計」として毎月公表している。所有権移転登記のうち原因が売買のものを見れば、全国・都道府県別の動きが分かる。

季節で偏る。不動産の売買は2〜3月と9〜10月に動きが集中する。4月の異動と、10月の下期の始まりに合わせて住み替えるためである。

売る側にとっての意味。買い手が多い時期に出せば、早く決まりやすい。逆に、その時期は売り物も増えるので比較される数も増える。不動産を「動く時期に出す」だけでは足りず、価格と写真で並んだときに見劣りしないかのほうが効く。

他社の依頼者に直接接触する行為

他社が媒介契約を結んでいる依頼者に直接接触して自社に乗り換えさせることをいう。依頼者の利益に反するため、業界団体の規則で禁じられている。

買う人・売る人を守るために作られた決まり

不動産の広告の段階。誇大広告の禁止(宅地建物取引業法第32条)。取引態様の明示(同法第34条)。

依頼の段階。媒介契約は書面で交付する(同法第34条の2)。専任・専属専任なら指定流通機構への登録義務がある。

契約の前。宅地建物取引士が重要事項を説明する(同法第35条)。説明する人は取引士証を提示しなければならない。

契約のとき。契約書面の交付(同法第37条)。

不動産会社の報酬。国土交通大臣が定めた上限を超えて受け取れない(同法第46条)。

どれも、不動産の売買で会社がやらなければならないこととして定められている。やられていないと気づけるだけで、立場がかなり変わる。

根拠:宅地建物取引業法第32条(誇大広告等の禁止)/第34条(取引態様の明示)/第34条の2(媒介契約)/第35条(重要事項の説明等)/第37条(書面の交付)/第46条(報酬)

売主が非居住者だと、買主が税金を天引きする

不動産を買った側に源泉徴収の義務が生じる場合がある。知らないまま全額を売主に払うと、買主が自分の負担で納めることになる。

どんなときか。売主が非居住者(日本に住所が無い個人)または外国法人で、国内にある不動産を売買したとき。買主は代金の10.21%を差し引いて、残りを売主に払い、差し引いた分を税務署に納める。

例外がある。代金が1億円以下で、かつ買主が自分または親族の住居として使うために買った場合は、この源泉徴収は要らない。投資用や法人が買う場合は、金額にかかわらず対象になる。

気づき方。売主の住所が海外になっている、連絡が海外との時差でしか取れない、登記事項証明書の住所が現住所と違う——こうした場合は、不動産の売買契約の前に確かめる。

根拠:所得税法第161条(国内源泉所得)/所得税法第212条(源泉徴収義務)/所得税法施行令第281条の3(国内にある土地等の譲渡による対価)

5年で税率が倍近く変わる

不動産を売った年の1月1日時点で、所有していた期間が5年を超えているかどうかで税率が変わる。

短期と長期。5年以下(短期譲渡所得)は所得税30%+住民税9%。5年超(長期譲渡所得)は所得税15%+住民税5%。復興特別所得税を足すと、短期39.63%、長期20.315%になる。

数え方に落とし穴がある。不動産を「買ってから5年」ではない。売った年の1月1日で5年を超えているかを見る。2021年6月に買って2026年7月に売ると、実際には5年1か月持っているが、2026年1月1日時点では4年7か月なので短期になる。同じ不動産を売っても、年をまたぐだけで税率が倍近く違う。

根拠:租税特別措置法第31条(長期譲渡所得の課税の特例)/同法第32条(短期譲渡所得の課税の特例)

いつ、いくらで売れたかは残る

登記に残る。不動産の所有権が移った日と原因(売買)は登記事項証明書に記録される。誰でも取れるので、その不動産が過去に何回売買されたかは外から追える。ただし価格は登記に載らない。

価格は統計として残る。国土交通省が取引の当事者にアンケートを行い、個人が特定されない形にして取引価格を公開している。不動産情報ライブラリで、地域・種類・面積・取引時期を指定して調べられる。

自分の手元に残しておくもの。売買契約書、領収書、仲介手数料の明細、登記費用の明細。これらは不動産を売ったときの譲渡所得の計算で「取得費」として使う。買ったときの契約書が無いと、売却価格の5%しか取得費として認められず、税金が大きく増える。

建物と設備で手続が分かれる

屋根に太陽光発電設備が載っている家を売るときは、不動産の売買による名義変更とは別に、もう1つ手続が要る。

2つある。①不動産としての所有権移転登記。②固定価格買取制度(FIT/FIP)の認定を受けている設備なら、経済産業省への設備認定の名義変更(事業者変更)。

②を忘れるとどうなるか。売電の収入が前の所有者の口座に入り続ける。手続をしないまま何年も経つと、誰にいくら戻すかの精算が面倒になる。

不動産の売買契約に書いておく。設備を代金に含めるのか、売電の権利をいつから買主のものにするのか、名義変更の申請を誰がいつまでに行うのか。口約束にせず契約書に入れる。

買取の会社が「仕入れる」とき

買取をする不動産会社にとって、物件を買うことは仕入れである。

だから価格が下がる。その不動産を買ったあとに修繕して、広告を出して、次の買い手を探して、その間の税金と金利を負担する。それらを引いて利益が残る値段でしか買えない。仲介で売る場合の相場より低くなるのはこのためである。

速さと金額の交換である。買取は買い手を探す期間が要らないので早い。仲介は時間がかかるが、不動産の市場の値段に近づく。どちらが得かではなく、「いつまでに現金が要るか」で決まる。

判断できない状態の人は、委任状では売れない

委任状があっても、本人に意思能力が無ければその委任状自体が無効になる。

条文。民法第3条の2(この条に条見出しは付いていない)は「法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする」と定める。不動産の売買契約も、委任も、法律行為である。

だからどうするか。家庭裁判所に成年後見の申立てをして、後見人が代わりに不動産を売る。居住用の不動産を売る場合は、後見人が付いたあとでも家庭裁判所の許可が別に要る(民法第859条の3)。「家族だから」「委任状を書いてもらったから」では通らない。

時間がかかる。後見の申立てから開始まで数か月、そこから居住用不動産の処分の許可でさらに時間がかかる。不動産の売却を急いでいるなら、判断能力が下がる前に動いておくかどうかが分かれ目になる。

根拠:民法第3条の2(条見出しなし。意思能力について定めた条)/民法第859条の3(成年被後見人の居住用不動産の処分についての許可)

何回売ると「業」になるのか

自分が持っている不動産を売るだけなら免許は要らない。だが売買を反復継続して行うと、宅地建物取引業になる。

条文の書き方。宅地建物取引業法第2条第2号は、宅地建物取引業を「宅地若しくは建物の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行うもの」と定めている。鍵は「業として」の3文字である。

何回からか、という基準は条文に無い。不動産の売買を何回したかで線が引かれているわけではない。不特定多数を相手にしているか、継続してやる意思があるか、営利の目的があるか、売るために仕入れているか——こうした事情を合わせて判断される。相続した不動産を2件続けて売っただけなら通常は問題にならないが、区画に分けて売り出せば1つの土地でも「業」と見られることがある。

免許なしでやるとどうなるか。無免許営業は宅地建物取引業法第12条が禁じている。迷う規模なら、先に都道府県の宅地建物取引業の担当窓口に聞いておくのが確実である。

根拠:宅地建物取引業法第2条第2号(用語の定義)/同法第12条(無免許事業等の禁止)

難しく感じるのは、決める順番が見えないから

不動産の売買は1回きりなのに、決めることが多い。価格、媒介契約の種類、引渡しの時期、境界、設備の扱い、税金の特例、ローンの条件。どれも初めてで、しかも同時に来る。

順番がある。①いくらで売れそうかを調べる(公的な価格と成約事例)②誰に頼むかを決める(媒介契約)③条件を決める(価格・引渡し時期・設備)④契約する(重要事項説明→売買契約)⑤決済して引き渡す(同時に登記)。

戻せないところが1か所ある。不動産の売買契約を結んだあとの解除には、手付の放棄や違約金が伴う。契約より前は、いくらでも調べ直せる。難しさの大半は「契約の前にどこまで調べるか」に集まっている。

売買では、保証人が付くのは代金の支払いのほう

不動産の売買と賃貸で混同しやすい。連帯保証人がよく出てくるのは不動産の賃貸のほうである。不動産の売買では、代金を分割で払う場合や、住宅ローンで収入を合算する場合に出てくる。

連帯保証は「催告の抗弁」が使えない。普通の保証人は「先に本人に請求してくれ」と言えるが(民法第452条)、連帯保証人はそれが言えない。債権者は本人を飛ばして連帯保証人に全額を請求できる。

連帯債務者と連帯保証人は違う。住宅ローンで夫婦が「連帯債務者」になるのと、一方が「連帯保証人」になるのは別である。連帯債務者は自分も借主なので住宅ローン控除の対象になりうるが、連帯保証人は借主ではないので対象にならない。不動産の売買契約書とローンの契約書で、どちらの言葉が使われているかを必ず見る。

根拠:民法第446条(保証人の責任等)/民法第452条(催告の抗弁)/民法第454条(連帯保証の場合の特則)

路線価は売買価格ではない

路線価は相続税と贈与税を計算するための価格である。不動産の売買の値段を決めるための数字ではない。

水準。路線価は公示価格のおおむね80%を目安に定められている。だから路線価をそのまま不動産の売買価格だと思うと安く見える。逆に、路線価を0.8で割ると公示価格の水準に戻せる。

それでも売買で使う場面がある。親族間で売るときの「著しく低い価額」かどうかの目安として使われる。相続税評価額(路線価ベース)を大きく下回る価格で売ると、差額が贈与とみなされることがある。

どこで見るか。国税庁の路線価図・評価倍率表。毎年7月に、その年の1月1日時点の価格が公開される。路線価が付いていない地域は、固定資産税評価額に倍率を掛けて求める。

出典:国税庁「路線価図・評価倍率表」https://www.rosenka.nta.go.jp/(2026年8月23日確認)

弁護士に頼む場面と、司法書士・宅建業者との分かれ目

不動産の売買に、必ず弁護士が要るわけではない。通常の売買は、宅地建物取引業者が仲介し、司法書士が登記をすれば足りる。

弁護士の場面。不動産をめぐって争いになっているとき。共有者の一人が売却に反対している、境界で隣と揉めている、契約後にキャンセルされて手付や違約金でもめている、相続人の間で分け方が決まらない——交渉と裁判の代理ができるのは弁護士だけである。

司法書士の場面。不動産の登記の申請。決済の日に、買主の代金支払いと同時に権利が移る形を作るのが役割である。

宅地建物取引業者の場面。不動産の売買の相手を探し、条件をまとめ、重要事項を説明する。法律相談そのものは業として行えない。「これは法律の判断が要る」と言われたら、そこが弁護士に渡す線である。

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高齢の売主が売るとき

不動産を売るのに、年齢そのものの制限はない。問題になるのは意思能力である。

売買契約は意思能力がなければ結べない。判断能力が失われていると、成年後見人を選任してもらう必要があり、居住用の不動産を売るにはさらに家庭裁判所の許可が要る。

意思が確認できるうちであれば、入院中であっても委任状によって代理人を立てて進められる。委任状には実印を押し、印鑑証明書を添える。

不動産では相続の観点も絡む。売って現金にすると相続税の評価額は上がる方向に働き、不動産のまま残せば下がる方向に働くことが多い。分けやすさと税負担のどちらを取るかで、生前に売るかどうかの判断が変わる。

90 歳 不動産 売買

秋に取引が増える理由

不動産の取引には年に2回の山がある。

1月から3月は転勤と入学に合わせて不動産が動く。9月から11月は、秋の異動と、年内に引渡しを済ませたい層の動きが重なる。

年内の引渡しを狙うなら、逆算が要る。契約から決済まで1か月から2か月かかるので、12月中の引渡しなら10月から11月には契約している必要がある。

なお価格そのものは季節では決まらない。変わるのは件数と、競合の多さである。

9 月 不動産 売買