不動産の用語

実際に検索されている102件の疑問を、ひとつ残らず見出しにして並べています。
英字ではじまる不動産用語
NOI、CAP レート、LTV、LTP、ROI、PML、NRA、NAV、LOI、LOA、CR、CRE——不動産の投資と証券化の場面で使われる略語が、ここに集まっている。多くは英語の頭文字で、不動産の日本語の定訳があるものと無いものが混ざる。数字を見るときは、その指標が「不動産そのものの力」を測っているのか、「借入を含めた投資家の手元」を測っているのかを先に分ける。NOI と CAP レートが前者、ROI と LTV が後者にあたる。
CAPレート(還元利回り)
CAPレート(還元利回り)|Capitalization Rate の略で、不動産では還元利回りという。NOI ÷ 不動産の価格 で求める。5,000万円の物件で年間のNOIが300万円なら、CAPレートは6.0%になる。逆に、期待するCAPレートから価格を逆算することもできる——NOI 300万円を利回り5%で買いたいなら、価格は6,000万円が上限になる。不動産の収益還元法による価格査定は、この割り算をしているだけである。CAPレートが低いほど価格は高くなるので、「利回りが下がった」と「価格が上がった」は同じことを指している。
CR(還元利回り・キャップレート)
CR(還元利回り・キャップレート)|Capitalization Rate の略で、不動産では還元利回り、あるいはキャップレートという。一期間の純収益から対象不動産の価格を直接求めるときに使う率で、純収益 ÷ 不動産価格 で表される。不動産の収益は一定ではなくリスクを伴うため、国債のような安全な資産の利回りより高く設定される。将来の収益に影響する要因の変動予測と、その予測に伴う不確実性を織り込んだ数字である。売却時点のリスクに対する期待利回りは、ターミナルキャップレートとして区別されることがある。このサイトでは「CAPレート」の項目でも同じ指標を扱っている。
CRE(企業不動産)
CRE(企業不動産)|Corporate Real Estate の略で、企業が保有する不動産をいう。また、その不動産を経営の視点から見直し、最適な保有と活用のかたちを設計する取り組みをCRE戦略という。遊休地の売却、本社の集約、セール・アンド・リースバックによる資金化などが具体策になる。国土交通省はCRE戦略に関するガイドラインと手引きを公表している。
不動産DX
不動産DX|不動産の取引と管理の業務を、デジタル技術によって作り直すことをいう。制度面で大きかったのは2022年5月の宅地建物取引業法改正で、重要事項説明書(35条書面)と契約書面(37条書面)について、相手方の承諾を得たうえでの電磁的方法による提供と、押印の廃止が認められた。これにより、契約までを非対面で完結できるようになった。
FC(フランチャイズ)
FC(フランチャイズ)|不動産では、本部の商標と営業のしくみを使って、加盟店が独立した事業者として営業する形をいう。不動産業では大手の看板を掲げた店舗の多くがこの形である。看板が同じでも会社は別法人なので、取引の相手方は加盟店であり、免許番号も店舗ごとに異なる。物件情報の共有範囲や手数料の割引制度も本部の方針と加盟店の運用で違うことがある。
FRK(一般社団法人不動産流通経営協会)
FRK(一般社団法人不動産流通経営協会)|不動産の Federation of Real estate transaction of Kanto を由来とする略称で、一般社団法人不動産流通経営協会を指す。大手を中心とする不動産流通業者の団体である。同協会が作成した売買契約書の書式は「FRK書式」と呼ばれ、実務で広く使われている。同協会は既存住宅流通の統計も公表している。
JV(ジョイントベンチャー)
JV(ジョイントベンチャー)|複数の企業が共同で不動産の事業を行う形をいう。不動産開発では、土地を持つ会社、資金を出す会社、開発と販売を担う会社が組んで1つのプロジェクトを進める場合に使われる。建設工事における共同企業体と同じ言葉だが、不動産開発の文脈では事業主体としての共同出資を指すことが多い。
LOA(売渡承諾書)
LOA(売渡承諾書)|Letter of Offer and Acceptance の略で、不動産の売渡承諾書のことをいう。買主側が出す買付証明書(LOI)に対して、売主側が「この価格・この条件で売り渡すことを承諾する」と示す書面である。ただし売渡承諾書は契約を締結できる旨を表明する文書にすぎず、それを交付しても契約の申込みや承諾の効果はないとされている。実際に、売渡承諾書と買付証明書の双方が交付された事案について、裁判所は売買契約に不可欠な確定的な意思表示があったとは認められないとして、契約の成立を否定している(東京地裁 昭和63年2月29日判決/判例タイムズ675号174頁)。もっとも、交付によって一定の信頼関係が生じるため、合理性を欠く理由で契約に至らなかった場合には、信義則に反すると評価されることがある。
LOI(意向表明書)
LOI(意向表明書)|Letter of Intent の略で、不動産では意向表明書、買付意向書などと訳される。一般の住宅取引でいう買付証明書にあたるものを、事業用不動産や法人間の取引で用いる呼び方である。価格、スケジュール、資金の裏付け、デューデリジェンスの期間と範囲、独占交渉権の有無などを記載する。原則として法的拘束力を持たせないが、秘密保持と独占交渉に関する条項だけは拘束力を持たせる形が多い。
LTP(Loan To Price)
LTP(Loan To Price)|借入額 ÷ 不動産の取得価格 で求める、借入の割合を示す指標。LTV との違いは分母と、時間が経ったときの動き方にある。LTPは取得したときの価格と借入額に基づくので、その後も動かない固定の数字である。対してLTVは、その時点のローン残高と、その時点の価値で計算するため、返済が進んだり価格が変動すると数字が変わる。1億円の物件をフルローンで買った時点では LTP も LTV も1.0だが、価格が2億円に上がれば元金が1億円残っていても LTV は0.5になり、価格が1億円のままでも残高が5,000万円まで減れば LTV は0.5になる。LTPは初期の固定値、LTVは変動する指標なので、分けて使う。
LTV(エルティーブイ)
LTV(エルティーブイ)|Loan To Value の略。借入金額 ÷ 不動産の価格 で求める、借入の割合を示す指標。5,000万円の不動産を4,000万円の借入で買えばLTVは80%になる。金融機関が不動産への融資の可否と条件を決めるときに見る数字のひとつで、LTVが高いほど自己資金が少なく、価格が下落したときに残債が不動産の価格を上回りやすくなる。なお分母を購入価格ではなく担保評価額とする場合があり、同じ物件でも数字が変わる。どちらを分母にしているかを先に確認する。
MB(メーターボックス)
MB(メーターボックス)|不動産の間取り図に書かれる記号で、メーターボックスを指す。電気・ガス・水道のメーターがまとめて収められている場所で、検針や点検をしやすいように住戸の外側に設けられるのが通常である。配管を通すための縦の空間を指すPS(パイプスペース)と隣り合うことが多く、両方が1つの空間にまとまっている場合は MBPS と書かれる。メーターボックスは共用部分にあたるため、自分の住戸のものであっても、前に荷物を置くことはできない。
NAV(純資産価値)
NAV(純資産価値)|Net Asset Value の略。保有する不動産の時価から負債を引いた、純資産の価値をいう。不動産を持つ会社やREITの価値を見るときに使う。J-REITの投資口価格を評価するときに使われ、投資口価格 ÷ 1口あたりNAV を NAV倍率という。1倍を下回っていれば、市場が保有不動産の時価より安く評価している状態を指す。
NCF(純キャッシュフロー)
NCF(純キャッシュフロー)|Net Cash Flow の略。不動産のNOIから資本的支出を差し引いた金額をいう。資本的支出とは、外壁塗装や屋上防水、給排水管の更新といった、毎年は発生しないが必ずいつか発生する大きな支出のことである。NOIは日常の運営費しか引いていないため、長期で持つ物件ほどNOIとNCFの差が開く。不動産の鑑定評価では、この差を織り込んだNCFを使うのが原則とされている。
NOI(エヌオーアイ)
NOI(エヌオーアイ)|Net Operating Income の略で、不動産の分野では純営業収益と訳される。不動産の年間の賃料収入から、管理費・修繕費・固定資産税・損害保険料といった運営に必要な費用を引いた金額を指す。引かないものが2つある——減価償却費と、借入金の利息である。この2つは不動産そのものの稼ぐ力ではなく、所有者側の会計処理と資金調達の事情で決まるため、物件同士を比べるときに混ぜると比較にならなくなる。そのため収益不動産の値付けは、まずNOIを出すところから始まる。
NRA(賃貸可能面積)
NRA(賃貸可能面積)|Net Rentable Area の略で、不動産の賃貸可能面積を指す。建物の延べ床面積のうち、実際にテナントに貸して賃料を取れる部分だけを数えた面積。不動産のエントランス、共用廊下、階段、機械室などは含まない。不動産の延べ床面積で割った利回りと、NRAで割った利回りは別の数字になるため、どちらの面積で計算されているかを確認しないと、同じ建物でも収益性の見え方が変わる。
PM(プロパティマネジメント)
PM(プロパティマネジメント)|Property Management の略で、賃貸不動産の運営管理をいう。テナントの募集と契約、賃料の請求と回収、滞納の督促、クレーム対応、退去の立会いと原状回復、収支報告までを担う。これに対しBM(ビルマネジメント)は建物設備の保守点検、清掃、警備といった建物側の管理を指す。同じ「管理会社」と呼ばれていても、担っている範囲が違うことがある。
PML(予想最大損失率)
PML(予想最大損失率)|Probable Maximum Loss の略。不動産の地震リスクを示す。想定される規模の地震が起きたときに、建物の被害を復旧するのに必要な費用が、不動産の再調達価格の何パーセントにあたるかを示す数値である。一般に、想定する地震は再現期間475年(50年間に10%の確率で起きる規模)を用いる。不動産の証券化や、不動産を担保にした大型融資では、エンジニアリング・レポートの一項目としてPMLの算出が求められることが多い。PMLが15%を超えると地震保険の付保を求められる、という実務上の目安が語られるが、これは法令で決まった数字ではなく、金融機関ごとの内規である。
ROI(投資収益率)
ROI(投資収益率)|Return On Investment の略で、不動産に投じた自己資金にどれだけ戻ったかを示す。年間の手取り ÷ 自己資金 で求める。CAPレートが不動産そのものの利回りを見るのに対し、ROIは借入を使った結果を含めた、投資家の手元での利回りを見る。同じ物件でも、借入の割合を変えるとROIは変わる。そのためROIだけを並べて不動産を比べることはできない。
VOID(空室期間)
VOID(空室期間)|賃貸不動産で、前の入居者が退去してから次の入居者が入るまでの空室期間をいう。収支計画では、この期間の賃料収入をゼロとして織り込む。不動産の空室率(一時点で空いている割合)とは別の概念で、VOIDは「1回の入替えで何か月空くか」を見る。不動産は入替えのたびに原状回復と募集の期間が必要になるため、回転が速い物件ほど、稼働率が同じでも手取りは薄くなる。
あ行の不動産用語
あ行には、不動産の取引の当事者や状態を表す語が入る。オーナーチェンジのように「誰が住んだまま所有者が変わるか」を示す語や、エージェント、あんこのように立場を表す語がある。
不動産エージェント
不動産エージェント|不動産の買主または売主のどちらか一方につき、その側の利益のために動く仲介の形をいう。日本の法律にはこの区分はなく、法律上は片手(分かれ)で媒介している業者と同じ立場である。「エージェント」を名乗ること自体に免許や資格の要件はないため、実際に一方だけにつく運用をしているかは、媒介契約の種別と報酬の受け取り方で確認する。
オーナーチェンジ
オーナーチェンジ|賃借人が住んだままの状態で、不動産の所有者だけが変わる売買をいう。買主は物件と同時に、賃貸借契約上の貸主の地位を引き継ぐ。買った直後から賃料収入が入る一方、室内を見られないまま買うことになり、賃借人が退去するまで自分で住むことも、賃料を上げることも原則としてできない。賃借人が対抗要件(引渡し)を備えていれば、所有者が変わっても賃借権は新しい所有者に対抗できる。
か行の不動産用語
か行には、不動産の価格と権利に関わる語が多い。客付、区分、競売、公図、減価償却——いずれも取引の中で必ず一度は出てくる。
不動産クラウドファンディング
不動産クラウドファンディング|インターネットを通じて多数の投資家から少額ずつ資金を集め、不動産に投じる仕組みである。不動産に投資して分配する仕組みをいう。不動産特定共同事業法の電子取引業務にあたり、1万円程度から参加できるものが多い。事業者が一定割合を自ら出資して、損失が出た場合にまず自分の出資分から負担する劣後出資という仕組みを設けているものがある。ただし劣後出資の割合を超える損失は投資家に及ぶ。
グロス
グロス|不動産で総額、あるいは費用を引く前の数字を指す。対義語はネット。利回りでいえば、年間賃料収入 ÷ 不動産の価格 がグロス利回り(表面利回り)で、運営費用を引いたNOIで計算するのがネット利回り(実質利回り)である。不動産の広告に出ている「利回り」はほとんどがグロスなので、運営費用を引くと1〜2ポイント下がることが多い。賃料でいうグロスは、共益費を含んだ総額を指す。
さ行の不動産用語
さ行には、不動産の手続きと制度の語が入る。サブリース、実需、ステージング、セットバック——広告や契約書の中で、説明なしに使われることが多い語である。
サブリース
サブリース|事業者がオーナーから不動産を一括で借り上げ、入居者に転貸する形をいう。オーナーは空室にかかわらず一定の賃料を受け取れるとされるが、借地借家法上、サブリース業者は賃借人にあたるため、業者からの賃料減額請求が認められる場合がある。2020年施行の賃貸住宅管理業法により、マスターリース契約の締結前には重要事項の説明が義務づけられている。
スケルトン
スケルトン|不動産のうち建物の躯体だけがあり、内装、間仕切り、設備が付いていない状態をいう。店舗の賃貸では、スケルトン渡しなら借主が内装を全部作り、退去時にはスケルトンに戻して返すのが原則になる。この原状回復の費用は数百万円規模になることがあるため、契約時に返還の状態をどこまでと定めているかを確認する。前の借主の内装が残った状態で貸すことを居抜きという。
ホームステージング
ホームステージング|売却する不動産に家具や照明、小物を配置して、暮らしている状態を見せる手法をいう。空室のまま見せるより、部屋の広さと使い方が伝わりやすくなる。費用は数万円から数十万円かかるため、価格帯と売り出し期間を見て判断する。効果を示す統計は事業者が公表しているものが多く、第三者による検証データは限られている。
セットバック
セットバック|不動産のうち、幅が4メートル未満の道路に接する敷地で、建て替えのときに道路の中心線から2メートルの位置まで建物を後退させることをいう。建築基準法第42条第2項の規定による道路(いわゆる2項道路)に接する場合に生じる。後退した部分には建物も塀も建てられず、建ぺい率・容積率の敷地面積にも算入されない。つまり登記上の面積より、実際に使える面積は小さくなる。広告に「要セットバック」「セットバック済」の記載がある場合は、後退が必要な面積を必ず確認する。
た行の不動産用語
た行には、不動産の担保と評価に関わる語が入る。抵当権、底地、デベロッパー——不動産の権利関係を読むときに前提になる語である。
デベロッパー
デベロッパー|不動産の土地を仕入れ、企画し、建物を建てて分譲または賃貸する事業者をいう。仲介業者が他人の物件を売買させる立場であるのに対し、デベロッパーは自ら売主になる。売主が宅地建物取引業者で買主が一般の個人である場合には、手付金の額が代金の20%を超えてはならないなど、宅地建物取引業法の8つの規制(いわゆる8種制限)が適用される。
な行の不動産用語
な行には、内見や名寄せのように、実際に不動産を調べたり見たりする場面で出てくる語が入る。
ネームアップ
ネームアップ|不動産を紹介する前に、紹介先の相手の名前や企業名を先に明かすことをいう。物件情報を持つ側が、すでに他社が紹介している先と重ならないようにするために求めることがある。求められた側から見ると、相手が持っている顧客の情報だけを渡す形になるため、初めて取引する相手からの要求には警戒が向けられやすい。なお、この語は業界の中で使われている口語で、大手各社の不動産用語集には収録されていない。
は行の不動産用語
は行には、不動産の媒介と払下げのように、取引の形と手続きを表す語が入る。媒介は「仲介」の法律上の呼び名である。
不動産ファンド
不動産ファンド|複数の投資家から集めた資金で不動産を取得し、その収益を分配する仕組みをいう。証券取引所に上場して自由に売買できるものをJ-REITといい、上場せず特定の投資家から集めるものを私募ファンドという。現物の不動産を直接持つのと違い、投資家は運用や管理に関わらず、少額から分散して投資できる。その代わり、物件を自分で選ぶことも、借入を使って利回りを上げることもできない。
フリーレント
フリーレント|不動産を借りた後の一定期間、賃料を無料にする条件をいう。賃料の水準そのものを下げずに実質的な負担を軽くできるため、オーナー側は表面上の賃料を維持でき、物件の収益評価を下げずに空室を埋められる。契約書には、一定期間内に解約した場合は免除した賃料を返還する条項が付くことが多い。
ブローカー
ブローカー|不動産の売主と買主を引き合わせる者を指す言葉だが、日本では免許を持たずに取引に関わる者を指して使われることがある。報酬を得る目的で反復継続して媒介を行うには免許が必要であり、免許なく行えば宅地建物取引業法違反になる。一方、海外では有資格の仲介業者そのものをブローカーと呼ぶため、文脈によって意味が正反対になる語である。
ま行の不動産用語
ま行には、不動産のマイソクのように業者間で物件情報を回すときに使う語が入る。
マイソク
マイソク|不動産の概要、間取り図、地図、取引条件を1枚にまとめた図面をいう。業者間で物件情報を回すときに使われる。下部に「元付」「専任」といった媒介の種別と、報酬の配分(分かれ・両手)が記載されていることが多い。名称は、かつて物件情報を配布していた会社名に由来する。
ら行の不動産用語
ら行には、不動産のレインズ、リーシング、利回り、ラストルックが入る。レインズは業者しか見られない物件情報のネットワークで、宅地建物取引業法第34条の2に登録義務が定められている。
ラストルック(競争者対抗条項)
ラストルック(競争者対抗条項)|不動産の入札において特定の相手に、他者からより有利な提案が出たときに条件を上乗せする機会を与え、その提案と同じ条件を提示すれば取引を成立させられる権利を与える取り決めをいう。競争者対抗条項ともいう。この権利を持つ側は、わずかな金額差で後から来た相手に負けることがなくなる。不動産では、開発用地の取得などで入札が行われるときに用いられる。なお、この語がまとまった形で定義されているのは事業再生やM&Aの用語集であり、不動産の用語集には見あたらない。不動産で使われる場合も、仕組みそのものは同じである。
リーシング
リーシング|賃貸の不動産にテナントを誘致する業務をいう。募集条件の設定、広告、内見の対応、条件交渉、契約までを含む。商業施設やオフィスビルでは、単に空室を埋めるのではなく、どの業種をどの区画に入れるかというテナント構成の設計そのものがリーシングの中身になる。
レインズ(REINS)
レインズ(REINS)|国土交通大臣が指定した不動産流通機構が運営する、業者間の物件情報ネットワークをいう。宅地建物取引業法第34条の2により、専任媒介契約を結んだ業者は7日以内、専属専任媒介契約なら5日以内に登録する義務がある。登録すると登録証明書が発行され、依頼者に交付される。一般の人はレインズを直接見られないが、成約価格の統計は不動産流通機構のサイトで公表されている。
わ行の不動産用語
わ行には、不動産の分かれのように報酬の受け取り方を表す語が入る。
漢字ではじまる不動産用語
漢字ではじまる不動産用語が一番多い。不動産の実務で使われる語の大半は漢字ではじまる。元付、客付、底地、赤道、公図、名寄せ、媒介、仲介、決済、手付金、抵当権、抹消登記、表示登記、権利書、名義変更、任意売却、競売——条文に根拠のある語と、業界の中だけで使われる口語が混ざっている。このサイトでは、条文があるものには条番号を、ないものには出典を添えて説明している。
不動産の仕事
不動産の仕事|不動産に関わる仕事は、大きく4つに分けられる。他人の取引を成立させる流通(仲介)、自ら土地を仕入れて建てて売る開発(デベロッパー)、建物と入居者を維持する管理(PM・BM)、そして資金を集めて運用する投資(ファンド・REIT)である。このうち仲介と開発には宅地建物取引業の免許が必要で、賃貸住宅の管理には賃貸住宅管理業の登録が必要になる。
仲介
仲介|不動産の売主と買主、あるいは貸主と借主の間に業者が入り、条件をまとめて契約を成立させることをいう。法律上の呼び名は媒介である。不動産の仲介業者は取引が成立した場合にのみ報酬を受け取ることができ、成立しなければ原則として報酬は発生しない。また受け取れる額には上限があり、宅地建物取引業法第46条に基づく国土交通大臣の告示で定められている。
仲介業者
仲介業者|不動産の媒介を業として行う会社をいう。宅地建物取引業を営むには免許が必要で、不動産業で2つ以上の都道府県に事務所を置く場合は国土交通大臣、1つの都道府県だけなら都道府県知事の免許を受ける。免許を受けずに営むことはできない。
任意売却
任意売却|不動産の住宅ローンの返済が滞り、売却しても残債を完済できない状態で、債権者の同意を得て抵当権を外してもらい、通常の売買として売ることをいう。抵当権は本来、全額の返済がなければ外れないため、債権者の同意が前提になる。競売と比べて市場に近い価格で売れることが多く、引渡しの時期も交渉できるが、残った債務は売却後も残る。
不動産の例
不動産の例|民法第86条第1項は「土地及びその定着物は、不動産とする」と定める。土地そのもののほか、土地に定着している建物、取り外すと価値を損なうかたちで固定された門や塀、土地に植えられた立木がこれにあたる。一方、プレハブ小屋のように基礎がなく移動できるもの、仮設の工作物は定着物にあたらず、動産として扱われる。同条第2項は、不動産以外の物はすべて動産とすると定めている。
保証会社
保証会社|不動産の賃貸借契約で、借主が賃料を払えなくなったときに代わって貸主に支払う会社をいう。不動産の借主は初回に賃料の0.5か月から1か月程度、その後は年1万円程度、あるいは月額賃料の1%程度を保証料として払う形が多い。保証会社が払った分は借主への立替であり、借主の債務は消えない。連帯保証人を立てられない場合の代替として使われるが、近年は保証人がいても保証会社の利用を必須とする物件が増えている。
保証金
保証金|主に事業用の不動産の賃貸借で、契約時に借主が貸主に預ける金銭をいう。住宅でいう敷金にあたるが、退去時に一定割合を返さない「償却」の定めが付くことが多い点が異なる。保証金1,000万円・償却20%であれば、退去時に返るのは800万円から原状回復費を引いた額になる。関西では住宅の賃貸でも保証金・敷引きの形が使われることがある。
値付け
値付け|不動産を売り出す価格を決めることをいう。近隣の成約事例、現在売り出し中の競合、物件の個別事情(築年、方位、階、接道、リフォームの有無)を突き合わせて決める。査定額がそのまま売り出し価格になるわけではない。売主の希望と売却期限、値下げの余地をどこまで残すかによって上乗せする幅が変わる。
元付(もとづけ)
元付(もとづけ)|不動産の売主または貸主から直接、媒介の依頼を受けている業者をいう。不動産の情報の出どころにあたる立場で、価格の変更や条件の交渉は元付を通る。対して、不動産の買主や借主を見つけてくる側を客付という。同じ物件でも、元付に直接申し込むか、客付を経由するかで情報が伝わる速さが変わることがある。広告を出している会社が元付かどうかは、媒介契約の種別(専属専任・専任・一般)とあわせて確認できる。
不動産の先物
不動産の先物|完成前、あるいは仕入れ前の不動産を、将来引き渡すことを前提に売買する取引を業界内でこう呼ぶ。金融商品の先物取引とは別の意味である。宅地建物取引業法第33条の2は、業者が自己の所有に属しない宅地建物について売買契約を締結することを原則として禁じている。取得する契約を締結しているなど、例外にあたる場合にのみ許される。
免許番号
免許番号|不動産の宅地建物取引業の免許を受けた業者に付される番号で、不動産では「東京都知事(3)第○○○○○号」のように表される。括弧内の数字は更新の回数を示す。免許の有効期間は5年なので、(3)であれば免許を受けてからおおむね10年から15年が経っていることになる。数字が大きいほど営業年数が長いことは分かるが、それが取引の内容の良し悪しを示すわけではない。
公図
公図|不動産のうち土地の位置と形状、地番の並びを示す図面で、法務局で取得できる。正確には、不動産登記法第14条第1項の地図と、同条第4項の「地図に準ずる図面」があり、一般に公図と呼ばれているのは後者である。地図に準ずる図面は、明治期の地租改正に由来するものが多く、形状や縮尺の精度が低い。そのため公図だけで境界を確定することはできず、実際の境界は確定測量図によって確認する。
内見
内見|不動産の契約の前に物件の室内を実際に見ることをいう。内覧ともいう。居住中の物件では売主・借主の在宅時に限られるため、見られる時間帯が制限される。確認しておくのは、図面では分からない天井高、コンセントと窓の位置、生活動線、日中の日照と騒音、水回りの状態、そして共用部分の清掃状況である。
分かれ
分かれ|不動産の元付業者と客付業者が、それぞれ自分の依頼者からだけ報酬を受け取る形をいう。売主から元付が、買主から客付が受け取るので、報酬が「分かれる」。これに対し、1社が売主と買主の双方から受け取る形を両手という。報酬の上限は宅地建物取引業法第46条により国土交通大臣の定める額を超えてはならないとされており、分かれであっても両手であっても、一方から受け取れる額の上限そのものは変わらない。
利回り
利回り|不動産に投じた金額に対して、1年でどれだけ収入があるかを示す割合。問題は、同じ「利回り」という言葉で3つの別の数字が語られていることである。不動産の表面利回りは 年間賃料 ÷ 価格、実質利回りは(年間賃料 − 運営費用)÷(価格 + 購入時の諸費用)、想定利回りは満室を前提とした計算で、現に空室があっても満室として数える。広告の数字を比べるときは、まずどれで書かれているかを確かめる。
区分(区分所有)
区分(区分所有)|1棟の不動産の中で、構造上区分され独立して使える部分をそれぞれ別の所有権の対象とすることをいう。分譲マンションがこれにあたる。所有者は自分の専有部分のほか、廊下や階段、外壁などの共用部分を持分に応じて共有する。専有部分だけを切り離して売ることはできず、敷地利用権も一体として動く。不動産投資の文脈で「区分」といえば、1棟丸ごとではなく1戸単位で買う形を指す。
反響
反響|不動産の広告に対して来る問い合わせのことをいう。ポータルサイト経由のメールや電話が中心で、営業の現場では反響の件数が広告効果の指標になる。売主にとっては、反響が少ないことが価格または広告の見直しの合図になる。専任媒介・専属専任媒介では業務の処理状況の報告義務があるため、反響の件数と内容は報告を通じて確認できる。
不動産取得税
不動産取得税|不動産である土地や家屋を取得したときに、取得した者に対して都道府県が課す地方税である。登記をしたかどうかにかかわらず、取得の事実に対して課される。課税標準は固定資産税評価額で、購入価格ではない。取得のおよそ半年後に納税通知書が届くため、購入時の諸費用とは別に、後から来る支出として見込んでおく必要がある。住宅と住宅用土地には軽減措置があり、要件を満たせば税額が大きく下がる。
名寄せ(なよせ)
名寄せ(なよせ)|同一の所有者が、その市町村の中で持っている不動産を一覧にまとめた帳簿をいい、名寄帳という。市町村の税務課で取得できる。相続のときに、被相続人がどこに不動産を持っていたかを把握するために使われる。固定資産税が課されない非課税の土地(私道など)も記載されることがあり、納税通知書だけでは見つからない不動産が判明する場合がある。
名義変更
名義変更|不動産の所有権の登記名義人を変えることをいい、登記上は所有権移転登記にあたる。売買、相続、贈与、財産分与など原因によって必要な書類も登録免許税の税率も変わる。相続による所有権移転登記は、2024年4月1日から義務化されており、不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請しなければならない。
告知事項あり
告知事項あり|不動産の広告に付されるこの表示は、その物件に買主・借主の判断に影響する事情があることを示している。多くは室内で死亡事案があったことを指すが、周辺の環境や設備の不具合を指す場合もある。宅地建物取引業法第47条は、重要な事項について故意に事実を告げない行為を禁じている。国土交通省は2021年に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を公表し、告げるべき範囲の考え方を整理している。
不動産営業
不動産営業|売買や賃貸の取引を成立させる仕事をいう。売主から媒介の依頼を受ける仕事(売却の受託)、買主に物件を紹介する仕事(客付)、賃貸の仲介、自社で買い取って再販する仕事などに分かれる。宅地建物取引士の資格がなくても営業はできるが、重要事項の説明と35条書面・37条書面への記名は宅地建物取引士でなければ行えない。
不動産としての土地
不動産としての土地|民法第86条第1項は、土地及びその定着物を不動産とすると定めている。土地は地番ごとに1つの単位として登記され、日本では土地と建物が別々の不動産として扱われる。そのため同じ場所にある土地と建物で所有者が違うことがあり、これが借地権や底地の問題が生じる理由である。土地の所有権が及ぶ範囲は、民法第207条により法令の制限内においてその上下に及ぶとされている。
売建(うりたて)
売建(うりたて)|先に不動産のうち土地を売買し、そのあとで買主が建築請負契約を結んで建物を建てる形をいう。土地と建物を一体で売る建売と対比される。建築する会社があらかじめ指定されていることが多く、実質的に選べない場合がある。土地の売買契約と建築請負契約が別契約になるため、一方だけを解約できるのか、手付金がどう扱われるのかを契約前に確認する。
不動産の契約の種類
不動産の契約の種類|不動産の取引で結ぶ契約は、大きく2種類に分かれる。1つは業者との媒介契約——専属専任媒介、専任媒介、一般媒介の3つがある。もう1つは相手方との売買契約または賃貸借契約である。媒介契約は「探してもらう・売ってもらう」ための契約、売買契約は「所有権を移す」ための契約であり、当事者も効果もまったく別のものである。
媒介契約の3種類
媒介契約の3種類|不動産の専属専任媒介は1社にだけ依頼し、自分で買主を見つけた場合もその業者を通す必要がある。業者は5日以内にレインズへ登録し、1週間に1回以上、依頼者に業務の状況を報告する義務を負う。専任媒介も1社にだけ依頼するが、自分で見つけた相手とは直接契約できる。登録は7日以内、報告は2週間に1回以上となる。一般媒介は複数社に同時に依頼でき、レインズへの登録義務も報告義務もない。専属専任・専任の有効期間は3か月を超えることができない。
媒介
媒介|不動産の売買や賃貸を成立させるために、当事者の間に立って取引をまとめることをいう。一般に「仲介」と呼ばれているものの、法律上の呼び名である。宅地建物取引業法第34条の2は、媒介の依頼を受けたときは遅滞なく書面を作成して依頼者に交付しなければならないと定めており、これが媒介契約書にあたる。媒介契約には専属専任媒介・専任媒介・一般媒介の3種類がある。
実需
実需|自分が住むために不動産を買う需要をいう。賃料収入や転売益を目的とする投資需要と対比して使われる。実需向けと投資向けでは、評価される要素が違う——実需では間取りや日当たり、学区が効き、投資では利回りと空室リスクが効く。同じ物件でも、どちらの層に売るかで価格の付き方と売れる速さが変わる。
客付け(きゃくづけ)
客付け(きゃくづけ)|不動産の買主や借主を見つけて、元付業者に紹介する側の立場をいう。不動産の客付業者は、自分の依頼者(買主・借主)から報酬を受け取る。一般の人が不動産を探すときに窓口になるのは、多くの場合この客付業者である。客付は物件を持っているわけではないため、同じ物件が複数の不動産会社の広告に出ているのは、それぞれが客付として広告しているからである。
不動産としての家
不動産としての家|建物は土地の定着物として不動産にあたるが、日本では土地とは別個の不動産として、独立して登記される。建物として登記できるのは、屋根と周壁があり、土地に定着し、その目的とする用途に使える状態にあるものとされている。建物の表示に関する登記では、所在、家屋番号、種類、構造、床面積が登記事項となる。
不動産小口化商品
不動産小口化商品|1つの不動産を小口に分けて販売し、複数の投資家が共同で保有する商品をいう。不動産特定共同事業法に基づく事業として行われる。匿名組合型は投資家が持分の登記をせず、分配金は雑所得になる。任意組合型は投資家が共有持分を登記して所有者になるため、相続税評価では現物の不動産と同じ扱いになる。どちらの型かで、税務上の扱いが変わる。
不動産屋
不動産屋|不動産の宅地建物取引業を営む会社の通称。不動産会社が実際にやっていることは会社によってかなり違い、売買の媒介を中心にする会社、賃貸の仲介と管理を中心にする会社、自ら買い取って売る会社、賃貸物件を所有して貸す会社がある。免許番号を見れば、どの区分で免許を受けているかは分からないが、何回更新しているか(括弧内の数字)は分かる。
底地(そこち)
底地(そこち)|不動産のうち、借地権が設定されている土地の、所有権の側をいう。不動産の地主は地代を受け取れるが、借地借家法により借地権者の権利は強く保護されているため、契約期間が満了しても、正当の事由がなければ更新を拒めない。そのため底地は自分で使うことも、更地として売ることもできない状態にあり、取引価格は更地としての価格を大きく下回るのが通常である。借地権者に売る、借地権と底地を同時に売る、一部を等価交換して両方を完全所有にする、といった出口がとられる。
延べ床面積
延べ床面積|不動産のうち建物の、各階の床面積を合計した面積をいう。容積率は、この延べ床面積を敷地面積で割った割合で計算する。ただし容積率の計算では、一定の範囲で算入しない部分がある——共同住宅の共用廊下と階段、住宅の地下室(住宅部分の3分の1まで)、ビルトインガレージ(延べ床面積の5分の1まで)などである。そのため広告の延べ床面積と、容積率の計算に使う延べ床面積は一致しないことがある。
手付金
手付金|不動産の売買契約を結ぶときに、買主から売主へ渡す金銭。民法第557条により、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付を放棄して、売主は手付の倍額を現実に提供して、契約を解除することができる(解約手付)。さらに売主が宅地建物取引業者で買主が業者でない場合には、宅地建物取引業法第39条により手付の額は代金の20%を超えてはならないと定められている。手付金は解除がなければ代金の一部に充当される。
手数料の分かれ
手数料の分かれ|上の「分かれ」と同じ意味で、不動産の仲介手数料の受け取り方を指している。不動産の元付と客付がそれぞれの依頼者から受け取るため、1社が受け取る額は両手の場合のおよそ半分になる。依頼者から見た支払額は変わらない。変わるのは業者の受取総額である。
払下げ
払下げ|国や地方公共団体が所有する不動産を、用途を廃止したうえで民間に売り渡すことをいう。敷地内を通る赤道や水路を自分の土地にする場合に行う手続きで、境界の確認、用途廃止の申請、価格の決定、売買契約、所有権移転登記という順に進む。隣接地の所有者全員の同意が必要になることが多く、手続きには数か月から年単位を要する。
不動産投資
不動産投資|不動産を取得して、賃料収入または売却益を得ることをいう。賃料から継続的に得る収益をインカムゲイン、売却して得る差益をキャピタルゲインという。他の投資と最も違う点は、借入を使えることである。自己資金の何倍もの資産を運用できる一方、空室や金利の上昇がそのまま手取りに効く。流動性が低く、売りたいときにすぐ現金化できないことも織り込む必要がある。
抵当権
抵当権|不動産について民法第369条は、債権者が債務の担保として債務者などが占有を移さずに提供した不動産について、他の債権者に先立って自分の債権の弁済を受ける権利を抵当権と定めている。住宅ローンを借りると、金融機関が土地と建物に抵当権を設定する。「占有を移さず」がこの権利の要点で、抵当権が付いていても所有者はそのまま住み続けられる。返済が滞れば、抵当権者は競売を申し立てて代金から回収する。
抹消登記
抹消登記|不動産に登記されている権利が消滅したときに、その登記を消す手続きをいう。住宅ローンを完済しても抵当権の登記は自動では消えず、申請しなければ登記簿に残り続ける。登録免許税は不動産1個につき1,000円で、土地1筆と建物1棟なら2,000円になる。売却するときは、不動産の決済の日に所有権移転と同時に抵当権抹消の登記を申請する。
担保
担保|不動産を持つ人が債務を返済できない場合に備えて、債権者が優先して弁済を受けられるようにしておく仕組みをいう。不動産を担保にする典型が抵当権で、占有を移さないまま担保にできる点が質権と異なる。継続的な取引で発生する債権をまとめて担保する場合には根抵当権が使われ、極度額の範囲内で債権が増減しても担保が続く。
不動産担保ローン
不動産担保ローン|所有する不動産に抵当権を設定して借りるローンをいう。住宅ローンが「その不動産を買うため」の借入であるのに対し、不動産担保ローンは資金の使途が原則として自由である。無担保のローンより金利は低く、借入額も大きくできるが、返済できなければ担保にした不動産を失う。融資額は担保評価額に対する割合(LTV)で決まり、評価額の6割から8割程度が目安とされることが多い。
損害保険料
損害保険料|不動産にかける火災保険や地震保険の保険料をいう。購入時の諸費用のひとつで、住宅ローンを借りる場合は火災保険への加入が条件になるのが通常である。賃貸用の物件では、支払った保険料はその年の必要経費になるが、複数年分を一括で払った場合はその年に対応する分だけを経費に計上する。
時価
時価|その不動産が、その時点で市場において成立すると認められる価格をいう。固定資産税評価額や相続税評価額のような公的な評価とは別の概念である。税務では、著しく低い価額で譲渡した場合に時価との差額が贈与とみなされることがあるため、同族間や親族間の売買では時価の把握が問題になる。客観的な根拠が必要な場面では、不動産鑑定士による鑑定評価が用いられる。
権利書
権利書|不動産の権利書は正しくは登記済証といい、登記が完了したことを示すために法務局が交付していた書面をいう。オンライン化にともない、現在は登記識別情報という12桁の英数字の通知に置き換わっている。古い権利書は、その物件について登記識別情報が発行されていない場合には今も有効である。紛失しても再発行はされず、事前通知や資格者代理人による本人確認情報の提供という別の手続きで登記を進めることになる。
決済
決済|不動産の売買代金の残額を支払い、同時に所有権移転登記の申請と鍵の引渡しを行う日をいう。実務では、買主の融資実行、売主の抵当権抹消、所有権移転登記が同じ日の同じ場で行われる。順序を誤ると、代金を払ったのに登記が入らない、あるいは抵当権が残ったまま所有権が移る事態が起きるため、司法書士が登記できる状態であることを確認してから、金融機関が送金を実行する手順がとられる。固定資産税や管理費の日割り精算も、この日を基準に行う。
減価償却
減価償却|不動産のうち建物のように、時間とともに価値が減る資産について、取得にかかった費用を使用できる期間に配分して費用に計上する会計処理をいう。土地は減価しないため、減価償却の対象にならない。そのため建物と土地の価格をどう按分するかで、毎年の費用として計上できる額が変わる。法定耐用年数は構造で決まり、住宅用の鉄筋コンクリート造は47年、木造は22年である。中古で取得した場合は簡便法により短い年数を使うことができる。
申し込み
申し込み|買いたい不動産について、価格や引渡しの時期などの条件を示して購入の意思を伝える手続きで、買付証明書や購入申込書を出して行う。申込みの段階では契約は成立しておらず、原則としてどちらからでも撤回できる。契約が成立するのは、売買契約書に署名押印し手付金を交付したときである。そのため申込みの順番が先でも、先に契約した人が買主になることがある。
不動産にかかる税金の種類
不動産にかかる税金の種類|不動産には、取得するとき、持っているとき、売るときの3つの場面でそれぞれ税金がかかる。取得するときは印紙税、登録免許税、不動産取得税、(贈与や相続なら)贈与税・相続税。持っているときは固定資産税と都市計画税。売るときは譲渡所得に対する所得税と住民税、そして印紙税である。このうち固定資産税と都市計画税、不動産取得税は地方税で、残りは国税である。
競売
競売|債権者の申立てにより、裁判所が不動産を売却して代金を債権の回収に充てる手続きをいう。民事執行法に基づく。入札で最も高い額を付けた者が買受人となる。内覧が原則としてできず、売主の契約不適合責任も追及できない。占有者がいる場合の明渡しも買受人が処理することになるため、価格は市場相場より低くなるのが通常である。
表示登記(表題登記)
表示登記(表題登記)|不動産の建物を新築したときなどに、その不動産の物理的な状況を初めて登記簿に記録する登記をいう。現在の不動産登記法では表題登記という。建物であれば所在、家屋番号、種類、構造、床面積が登記事項となる。新築した建物の表題登記は、所有権を取得した日から1か月以内に申請しなければならない義務がある。この登記を扱うのは土地家屋調査士で、権利に関する登記を扱う司法書士とは資格が異なる。
評価額
評価額|不動産の価格を示す言葉だが、同じ土地に4つの公的な価格が存在するため、どの評価額を指しているかで数字が変わる。公示価格は国土交通省が毎年1月1日時点で公表する取引の指標、相続税路線価はその約80%を目安に国税庁が定めるもの、固定資産税評価額は約70%を目安に市町村が3年ごとに定めるもの、そして実際の取引価格がある。「評価額」とだけ書かれている場合は、まずどれのことかを確かめる。
買付(買付証明書)
買付(買付証明書)|不動産の購入希望者が、購入する意思と希望条件を書面で示すものをいう。価格、手付金の額、契約と決済の希望日、住宅ローンを使う場合はその旨と金額を書く。法的な拘束力はなく、これだけで契約が成立することはないが、売主が複数の申込みから相手を選ぶ材料になるため、条件の書き方が交渉の出発点になる。売主側が承諾の意思を示す書面を売渡承諾書という。
赤道(あかみち)
赤道(あかみち)|不動産の公図の上で赤く塗られていた、道路としての機能を持つ国有地をいう。里道ともいう。地番が付いていないため、公図では細長い空白として現れる。同様に、水路にあたる部分は青く塗られていたため青道と呼ばれる。敷地の中を赤道が通っていると、その部分は他人の土地なので、上に建物を建てることも、敷地面積に算入することもできない。多くは市町村に譲与されており、用途廃止のうえ払下げを受けて自分の土地にする手続きがとられる。
不動産鑑定士
不動産鑑定士|不動産の鑑定評価に関する法律に基づく国家資格者で、不動産の鑑定評価を業として行えるのはこの資格者だけである。不動産の仲介業者が出す査定額が「いくらで売れそうか」の見込みであるのに対し、鑑定評価は法律に基づく評価であり、裁判、相続の分割、同族間の売買、担保評価など、第三者に対して価格の根拠を示す必要がある場面で使われる。査定は無料で行われることが多いが、鑑定評価は有料である。