不動産を調べる

実際に検索されている192件の疑問を、ひとつ残らず見出しにして並べています。
- 家査定シミュレーション
- 査定依頼
- 当社調べ
査定額は、どこまで信じていいのか
不動産の査定とは、不動産会社が「いくらで売れそうか」を見込みで出すことをいう。法律上の評価ではないので、同じ物件でも会社によって数百万円の差が出ることがある。
査定には2種類ある。不動産の机上査定(簡易査定)は、所在地・面積・築年・間取りといったデータだけで概算を出す。不動産の訪問査定は、実際に現地を見て、日当たり、眺望、設備の状態、隣地との関係、道路づけまで確認したうえで出す。売り出し価格を決めるなら訪問査定になる。
不動産の査定額の根拠は、3つの手法のどれかである。取引事例比較法は、周辺で実際に成約した似た不動産の価格から補正して求める。住宅の売買ではこれが中心になる。不動産の原価法は、いま同じ建物を建てたらいくらかを出して、そこから築年数ぶんの価値の減少を引く。収益還元法は、その物件が生む年間の純収益を利回りで割って価格を出す。投資用物件ではこれを使う。
高い査定額を出した不動産会社が、高く売ってくれるとは限らない。媒介契約を取るために高めの数字を出し、売れないまま値下げを重ねるという進み方が実際にある。金額そのものより、その金額の根拠として何件の成約事例を挙げているか、その事例が同じ地域・同じ築年帯のものかを見る。根拠を出せない査定額は、数字が高くても意味がない。
不動産の査定を受けても、売る義務は生じない。媒介契約を結ばなければ、依頼したことにはならない。断るときは、他社に依頼した、あるいは売却を見送ることにした、と一言伝えれば足りる。理由を説明する義務もない。
一括査定という仕組み。1回入力すれば複数の不動産会社へ同時に依頼が飛ぶ。手間は減るが、入力した情報がその全社に渡るのが仕組みなので、各社から連絡が来ることは前提になる。「営業なし」「メールのみ」「連絡は1社だけ」といった条件を選べるサービスもあるが、媒介契約を取るための活動である以上、連絡がまったく来ない形にはなりにくい。
売るつもりがなくても査定は受けられる。媒介契約を結ばなければ依頼したことにはならないので、相場を知るためだけに受けても問題はない。ただし相手は売却を前提に動くので、最初に「今は情報収集の段階だ」と伝えておくほうがお互いの時間が減らない。
不動産の査定に料金はかからない。無料なのは、査定が媒介契約を取るための営業活動だからである。有料なのは不動産鑑定士による鑑定評価のほうで、これは不動産の鑑定評価に関する法律に基づく別の行為である。逆にいえば、鑑定士でない者が報酬を得て鑑定評価を行うことはできない。
やり方と計算式。取引事例比較法なら、近隣の成約事例の㎡単価に、駅距離・築年・方位・階数・角部屋かどうかといった個別の要因で補正をかけ、対象の面積を掛けて出す。収益還元法なら NOI ÷ 期待利回り。原価法なら 再調達価格 −(築年数ぶんの減価)。どの手法を使ったかと、何件の事例を根拠にしたかを聞けば、その査定額の確からしさが見える。
デメリットもある。訪問査定は在宅の時間を取られる。一括査定は連絡が増える。査定額が相場より高く出た場合、それを信じて売り出すと売れ残って値下げを重ねることになる。連絡が来ないまま放置される場合もあるので、依頼した時点でいつまでに結果が出るかを決めておく。
不動産の査定は、依頼から結果までどのくらいかかるか。不動産の机上査定なら当日から2〜3日、訪問査定なら日程の調整を含めておおむね1週間。すぐ数字が欲しいだけなら机上査定、売り出し価格を決めるなら訪問査定になる。依頼した時点で、いつまでに結果が出るかを決めておく。
不動産の査定を断るときの言い方。媒介契約を結んでいなければ、断ることに手続きは要らない。「他社にお願いすることにしました」「今回は売却を見送ることにしました」で足りる。メールでも電話でも構わないし、理由を説明する義務もない。売るつもりがなく相場だけ知りたい場合も、最初にそう伝えておくほうがお互いの時間が減らない。
不動産の査定が有料になることはあるのか。仲介業者が行う査定は無料が通常である。有料なのは不動産鑑定士による鑑定評価で、これは不動産の鑑定評価に関する法律に基づく別の行為である。鑑定士でない者が報酬を得て鑑定評価を行うことはできない。逆に、無料の査定に対して後から料金を請求されることは通常ない。
離婚や相続で不動産の価格を出すとき。当事者の間で分け方を決めるだけなら仲介業者の査定でも足りるが、調停や裁判になる、税務署に対して価格の根拠を示す必要がある、同族間で売買するといった場面では鑑定評価が使われる。争いが起きているなら、価格を出す前に弁護士に整理してもらったほうが早い。
不動産の査定を依頼する・断るときの文面。依頼するときは、所在地、面積、間取り、築年、売却を考えている時期、連絡してよい方法と時間帯を書けば足りる。断るときは「他社にお願いすることにしました」「今回は売却を見送ることにしました」で足りる。メールでも電話でも構わないし、理由を説明する義務もない。結果の連絡が来ないまま止まることもあるので、依頼した時点でいつまでに出るかを決めておく。
不動産の査定の中身。会社は自社の基準で点数化して価格を出していることが多い。駅距離、築年、方位、階数、角部屋か、前面道路の幅、日照——こうした項目に補正をかけていく。項目そのものは公表されていないので、外から確かめられるのは「何件の成約事例を根拠にしたか」のほうである。
不動産の査定を頼む前に決めておくこと。売る時期の目安、連絡してよい方法と時間帯、何社に頼むか。この3つを先に決めておくと、依頼したあとのやりとりが軽くなる。訪問査定を受けるなら、登記事項証明書、間取り図、購入時の売買契約書、固定資産税の納税通知書を出せるようにしておく。各社に同じ資料を渡さないと、出てきた金額を比べる意味がなくなる。
訳ありの不動産を査定するとき。再建築不可、共有持分だけ、借地権付き、境界が確定していない、心理的な瑕疵がある——こうした不動産は通常の仲介では買主が付きにくいので、専門に扱う会社に当たることになる。ただし価格はさらに下がるので、まず通常の仲介と買取で当たってから検討する。
利点
- (これから書きます)
注意すべき点
- (これから書きます)
断るのに手続きは要らない
媒介契約を結んでいなければ、断ることに何の手続きも要らない。他社に依頼した、あるいは売却を見送ることにした、と一言伝えれば足りる。理由を説明する義務はない。メールでも電話でも構わない。
査定額のどこを見れば、当てになるか分かるのか
査定額は法律上の評価ではなく見込みなので、会社によって差が出る。見るべきは金額そのものではなく、その根拠として何件の成約事例を挙げているか、その事例が同じ地域・同じ築年帯かである。根拠を出せない査定額は、数字が高くても判断材料にならない。
突出して高い査定額が出たとき
媒介契約を取るために高めの数字を出し、売れないまま値下げを重ねるという進み方が実際にある。他社より突出して高い査定額が出たら、その価格で成約した事例を示してもらう。
匿名で出てくる金額は査定ではない
住所や氏名を出さずに概算だけを見るサービスがあるが、それは統計から出した推計であって査定ではない。実際に売り出す価格を決めるなら訪問査定になる。
3つの手法
取引事例比較法(周辺の成約事例から補正して求める)、原価法(同じ建物を今建てた場合の価格から築年ぶんを引く)、収益還元法(年間の純収益を利回りで割る)の3つがある。住宅の売買では取引事例比較法が中心になる。
路線価から、売買の水準を逆算する
路線価は相続税・贈与税の計算のための価格で、公示価格のおおむね80%が目安になる。売買の査定額そのものではないが、路線価を0.8で割れば公示価格の水準に近づくので、査定額が相場から離れていないかの目安に使える。
同じ土地に4つの価格がある
不動産の相場を調べるとは、「いま同じような物件がいくらで取引されているか」を公的なデータから確かめることをいう。不動産の広告に出ている価格は売り出し価格であって、実際に成約した価格ではない。ここを混ぜると、相場が実態より高く見える。
まず押さえるのは、同じ不動産に4つの価格があるという事実である。公示価格は国土交通省が毎年1月1日時点で公表する取引の指標。相続税路線価は国税庁が定めるもので、公示価格のおおむね80%が目安。固定資産税評価額は市町村が3年ごとに定めるもので、おおむね70%が目安。そして実際の取引価格がある。
不動産のこの関係が分かっていると、逆算ができる。固定資産税の納税通知書に書かれた評価額を0.7で割ればおおよその公示価格水準が出る。路線価を0.8で割っても同じ水準に近づく。手元の書類1枚から、公的な価格の見当がつく。
実際の取引価格は、国土交通省の不動産情報ライブラリで見られる。成約価格をもとにしたデータが地図の上で確認でき、取引時期、面積、最寄駅からの距離、土地の形状といった条件も付いている。個別の物件が特定されないよう価格は丸められているが、相場の水準をつかむには十分である。
成約価格の統計は、不動産流通機構(レインズ)も公表している。こちらは月次・四半期で、成約件数、成約価格の平均、売り出し価格からの乖離まで出ている。売り出し価格ばかりを見ているときの補正になる。
これからどう動くかは、誰にも確実には分からない。不動産の相場の予想、チャート、見通しといった情報は多いが、将来の価格を保証するものではない。確かめられるのは過去の推移までである。
国土交通省の地価公示は毎年3月に、都道府県地価調査は毎年9月に公表され、同じ地点を毎年測っているので推移が追える。不動産流通機構の成約統計は月次と四半期で出るため、こちらのほうが動きが速く見える。上がっているか下がっているかを言うなら、どの指標の、いつからいつまでの話かを添える。
坪単価という言い方について。1坪はおよそ3.30578平方メートルなので、㎡単価に3.30578を掛ければ坪単価になる。ただし土地の坪単価と、マンションの専有面積あたりの単価は別の物差しである。不動産情報ライブラリの取引価格情報には面積が付いているので、そこから自分で単価を出せる。
不動産の調べ方を、知りたいものごとに並べる。どこへ行けばいいかは、何を知りたいかで決まっている。
所有者・持ち主・オーナー・名義を知りたい——法務局で登記事項証明書を取る。誰でも取得できる。甲区の一番下にいる人が現在の所有者である。持分もそこに割合で書かれている。
抵当権が付いているか——同じ証明書の乙区を見る。下線が引かれているものはすでに効力を失っている。
地番・不動産番号——普段使う住所(住居表示)とは別の番号なので、権利証や固定資産税の納税通知書、法務局のブルーマップ、あるいは窓口で住所から照会してもらう。不動産番号は登記事項証明書の冒頭に13桁で記載されている。
築年数・面積・構造——登記事項証明書の表題部。登記されている面積と広告の面積が違うことがあるので、どちらの数字かを確かめる。
価格・値段・時価・適正価格・価値——目的で見る場所が変わる。売買の目安なら国土交通省の不動産情報ライブラリの取引価格情報、公的な指標なら地価公示、相続税なら国税庁の路線価図、固定資産税なら課税明細書または固定資産評価証明書。第三者に価格の根拠を示す必要があるなら不動産鑑定士の鑑定評価になる。
成約価格・成約事例・売買事例——不動産情報ライブラリと、不動産流通機構が公開している成約価格の情報。売り出し価格ではなく実際に売れた価格が見られる。
坪単価——1坪はおよそ3.30578平方メートル。㎡単価に3.30578を掛ければ出る。取引価格情報には面積が付いているので自分で計算できる。
用途地域・法令上の制限——市町村の都市計画情報で見られる。建ぺい率、容積率、高さ制限、防火地域の指定もそこにある。不動産情報ライブラリでも地図に重ねて表示できる。
業者の免許番号・供託所——国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで照合する。営業保証金を供託している供託所や、保証協会の社員かどうかは重要事項説明書に記載される事項である。
含み益・取得価格——取得価格は購入時の売買契約書で確かめる。これが見つからないと譲渡所得の計算で譲渡価額の5%しか取得費として認められない。含み益は、いまの時価から取得価格と譲渡費用を引いた差である。
これから上がるか下がるかは、確かめられない。不動産の相場の見通しや予想は多く出回っているが、将来の価格を保証するものではない。確かめられるのは過去の推移までで、地価公示は毎年3月、都道府県地価調査は毎年9月に公表される。同じ地点を毎年測っているので、グラフにすれば動きが見える。成約統計は月次と四半期で出るため、こちらのほうが速い。
「相場」と呼ばれるが不動産そのものの価格ではないもの。管理費と修繕積立金——マンションの規模と築年で変わる。重要事項説明書に金額が記載される。敷金・礼金——地域の慣行で幅が大きい。貸主に渡るもので手数料とは別。手付金——売買代金の5%から10%程度。売主が業者で買主が業者でなければ代金の20%が上限。立退料——法律上の基準はない。紹介料・あっせん料——免許を持たない者が受け取れば法律違反になりうる。説明義務違反の慰謝料——争いになった場合に裁判所が個別に判断するもので、相場という形では決まっていない。
不動産の調べ方を、わかりやすく1行ずつ。所有者・持分・抵当権 → 法務局の登記事項証明書。地番・不動産番号 → 権利証、納税通知書、ブルーマップ、法務局の窓口。取引価格・成約事例 → 国土交通省の不動産情報ライブラリ。公的な価格 → 地価公示(3月)、都道府県地価調査(9月)、路線価図。固定資産税評価額 → 納税通知書の課税明細書、固定資産評価証明書。用途地域・法令上の制限 → 市町村の都市計画情報。業者の免許 → 国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システム。どれも公的なデータベースで、登録も費用も要らないものが多い。
おすすめの順番。① 不動産情報ライブラリで近隣の成約価格の水準をつかむ。② 登記事項証明書で権利関係を確かめる。③ そのうえで複数社の査定を取り、根拠として挙げられた事例を突き合わせる。この順で見ると、査定額が相場から離れているかどうかが分かる。
不動産の相場を調べる、いちばん確かな経路
国土交通省の不動産情報ライブラリで、実際の成約価格をもとにしたデータを地図上で見る。取引時期・面積・駅からの距離・建築年といった条件も付いている。あわせて不動産流通機構が公表する成約統計で圏域の水準を見る。
売り出し価格を相場と呼んではいけない
いま同じような条件の物件がいくらで取引されているかの水準をいう。広告に出ている売り出し価格ではなく、実際に成約した価格で見る。売り出し価格で見ると、相場は実態より高く出る。
国が無料で公開している
国土交通省の不動産情報ライブラリと土地総合情報システムで、取引価格情報、地価公示、都道府県地価調査が公開されている。登録も費用も不要である。
誰でも取れる情報と、業者しか見られない情報
不動産の情報には、誰でも取れるものと、業者しか見られないものがある。この線をはっきりさせておくと、探し方が変わる。
誰でも取れるものは多い。登記事項証明書と公図は法務局で、固定資産評価証明書は市町村で、公示価格と取引価格情報は国土交通省の不動産情報ライブラリで、相続税路線価は国税庁の路線価図で、用途地域や都市計画は各自治体の都市計画情報で確認できる。登記事項証明書は本人でなくても取得できる。
業者しか見られないのがレインズである。正式には指定流通機構といい、国土交通大臣が指定した機関が運営している。宅地建物取引業法第34条の2により、専任媒介契約を結んだ業者は7日以内、専属専任媒介契約なら5日以内に登録する義務がある。登録すると登録証明書が発行され、依頼者に交付される。
一般の人はレインズを直接見られないが、売主であれば、自分の物件が登録されているかは確認できる。登録証明書に記載された物件番号とパスワードで、売却依頼主用の確認画面から状態を見られる。「レインズに載せた」と言われたら、この証明書の交付を受けているかを確かめる。
ポータルサイトに出ている物件は、レインズにある物件の一部である。同じ物件が複数の不動産会社の広告として出ているのは、それぞれが客付として広告しているからで、物件が複数あるわけではない。所在地・面積・築年月を突き合わせれば同一かどうかが分かる。
利点
- (これから書きます)
注意すべき点
- (これから書きます)
レインズという、業者しか見られない仕組み
国土交通大臣が指定した不動産流通機構が運営する業者間のネットワーク。宅地建物取引業法第34条の2により、専任媒介は7日以内、専属専任媒介は5日以内の登録義務がある。一般の人は直接見られないが、売主は登録証明書の物件番号とパスワードで登録状態を確認できる。
不動産情報ライブラリで見られるもの
国土交通省が運営する、不動産の取引価格・地価・ハザード情報などを地図上で重ねて見られるサービス。登録も費用も不要である。
売る前に確かめる2つ
不動産を売る前に調べるのは、価格の水準と、自分の物件が売れる条件を満たしているかの2点である。
価格は、不動産情報ライブラリの成約データと、不動産流通機構が公表する成約統計の2つで水準をつかむ。そのうえで複数社の査定を取り、査定額の根拠として挙げられた事例を突き合わせる。
相見積もりを取ることは問題ない。一般媒介であれば複数社に同時に依頼できるし、査定だけなら媒介契約前なので何社に頼んでも自由である。ただし各社に同じ情報を渡さないと、出てきた査定額を比べる意味がなくなる。登記事項証明書、公図、間取り図、購入時の売買契約書は、同じものを全社に渡す。
その不動産が売れる条件のほうは、登記の名義が自分になっているか、抵当権が残っていないか(残っていれば決済で抹消できるか)、共有であれば他の共有者の同意が取れるか、境界が確定しているかを確かめる。ここが詰まっていると、買主が見つかっても決済まで進まない。
各社に同じ資料を渡さないと比べられない
査定だけなら媒介契約の前なので何社に頼んでも自由である。ただし各社に同じ資料(登記事項証明書、公図、間取り図、購入時の売買契約書)を渡さないと、出てきた査定額を比べる意味がなくなる。
7割前後になる理由
不動産の買取相場は、仲介で売れる価格のおおむね7割前後と言われる。ただしこの割合は不動産の状態と立地で動くので、固定した比率ではない。
不動産の買取が安くなるのには理由がある。買い取った会社は、その不動産をリフォームして再販する。その間の資金の負担、リフォームの費用、再販時の仲介手数料、売れ残るリスクを、すべて自分で抱える。その分が価格に反映される。仲介手数料がかからないから得、という単純な話ではない。
不動産の相場を確かめる手順は、仲介と同じである。まず不動産情報ライブラリで近隣の成約価格を見て、仲介で売れる水準の見当をつける。そこから7割前後が買取の目安になる。複数社に買取査定を出してもらえば、その水準からどれだけ離れているかが分かる。
買取が向くのは、期限が決まっていて確実に現金化したい場合、近隣に知られずに売りたい場合、建物の状態が悪く仲介では売りにくい場合である。時間に余裕があるなら、まず仲介で売り出して、期限までに売れなければ買い取るという形(買取保証)を用意している会社もある。
なぜ7割前後まで下がるのか
仲介で売れる価格のおおむね7割前後が目安とされる。ただし不動産の状態と立地で動くので固定した比率ではない。買い取った会社はリフォーム費用、資金の負担、再販時の手数料、売れ残るリスクを抱えるため、その分が価格に反映される。
過去にいくらで取引されたか
過去に不動産がいくらで取引されたかは、国土交通省の不動産情報ライブラリで調べられる。実際の成約価格をもとにしたデータで、取引時期、種類(土地・戸建・マンション)、面積、最寄駅と徒歩分数、建築年、用途地域といった条件が付いている。
このデータは、不動産の取引をした人へのアンケート結果をもとに作られている。個別の物件が特定されないよう、価格と面積は一定の幅で丸められ、所在地も町名までの表示になっている。そのため「隣の家がいくらで売れたか」をピンポイントで知ることはできないが、同じ町・同じ駅距離・同じ築年帯の取引がいくつ並んでいるかを見れば、水準は十分につかめる。
もうひとつの経路が不動産流通機構の成約統計である。レインズに登録された成約情報の集計で、首都圏・近畿圏などの圏域ごとに、月次と四半期で公表されている。成約件数、平均価格、平均㎡単価、成約までにかかった日数まで載っている。個別の取引は見られないが、市場が動いているのか止まっているのかが分かる。
どの評価額のことか
不動産の評価額を調べるとき、まず確かめるのはどの評価額を知りたいのかである。同じ不動産に、目的の違う評価額が複数ある。
不動産の固定資産税評価額は、固定資産税・都市計画税・不動産取得税・登録免許税の課税標準になる。毎年4月から6月ごろに届く納税通知書の課税明細書に記載されている。手元にない場合は、市町村で固定資産評価証明書を取る。公示価格のおおむね70%が目安である。
不動産の相続税評価額は、相続税・贈与税の計算に使う。土地は、路線価が定められている地域なら路線価 × 地積(に各種の補正を加えたもの)で計算する。路線価が定められていない地域では、固定資産税評価額に倍率を掛ける倍率方式による。建物は固定資産税評価額をそのまま使う。
マンションの場合は、土地の持分(敷地権割合)に対応する部分と、建物の専有部分を分けて計算する。2024年1月1日以後の相続・贈与からは、居住用の区分所有財産について評価方法が見直されている。
まず、どの評価額を知りたいのかを決める
固定資産税評価額なら、納税通知書の課税明細書、または市町村で取る固定資産評価証明書で分かる。相続税評価額なら、路線価図で路線価を調べて地積を掛ける(路線価のない地域は固定資産税評価額に倍率を掛ける)。どの評価額を知りたいのかを先に決める。
不動産の登記事項証明書は、誰でも取れる
不動産の登記の内容を調べるには、登記事項証明書を取る。法務局の窓口、郵送、オンライン申請のいずれでも取得できる。所有者本人でなくても、誰でも取得できる。
取るには地番か家屋番号が要る。住所(住居表示)とは別の番号なので、手元に権利証や納税通知書がなければ、法務局に置いてあるブルーマップで調べるか、窓口で住所を伝えて地番を照会してもらう。ここでつまずく人が多い。
不動産の証明書は3つの部分に分かれている。表題部にその不動産の物理的な状況(土地なら所在・地番・地目・地積、建物なら所在・家屋番号・種類・構造・床面積)、権利部の甲区に所有権に関する事項、権利部の乙区に所有権以外の権利(抵当権、根抵当権、地上権、賃借権など)が記録される。
中古物件を見るときにまず確かめるのは2点。甲区の一番下にいる人が売主本人かどうかと、乙区に抵当権が残っていないかである。
なお、内容を見るだけなら登記情報提供サービスのほうが安く早い。ただしこちらは証明書ではないので、登記申請や公的な手続きには使えない。
住所では取れない。地番が要る
法務局で登記事項証明書を取る。誰でも取得できる。ただし住所ではなく地番・家屋番号が必要なので、分からなければブルーマップで調べるか、窓口で住所から照会してもらう。見るだけなら登記情報提供サービスのほうが安いが、そちらは証明書ではないので手続きには使えない。
証明書を取るのか、中身を見るだけか
法務局の登記情報提供サービスで、地番・家屋番号を指定して内容を見られる。証明書が必要な場合は登記事項証明書を取得する。
免許が実在するかを確かめる
不動産の仲介業者を調べるとき、客観的に確かめられるものが2つある。免許番号と、宅地建物取引士の設置状況である。
不動産の免許番号は「○○知事(3)第○○○○○号」のように表される。括弧内の数字は更新の回数で、有効期間が5年なので、(3)であれば免許を受けてからおおむね10年から15年が経っている。ただし営業年数の長さが取引の内容の良し悪しを示すわけではない。
その免許が実在するかは、国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで確認できる。商号、代表者名、免許の有効期間、過去に行政処分を受けていればその履歴まで出てくる。広告に書かれた免許番号と一致するかを見る。
もうひとつ、事務所には業務に従事する者5人につき1人以上の割合で専任の宅地建物取引士を置く義務がある。重要事項の説明と、35条書面・37条書面への記名は宅地建物取引士でなければ行えない。
国のシステムで免許を確かめる
国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで、免許を受けている業者を検索できる。商号、代表者名、免許の有効期間、行政処分の履歴まで確認できる。
名義
不動産の名義は、登記事項証明書の権利部の甲区で確かめる。一番下に記載されている人が現在の所有者である。
誰でも取れる。所有者本人でなくても取得できる。ただし住所(住居表示)ではなく地番・家屋番号を指定する必要があるので、分からなければブルーマップで調べるか、法務局の窓口で住所から照会してもらう。
名義を変えるのにかかる費用。登録免許税と司法書士報酬の合計になる。登録免許税は原因で変わり、売買は固定資産税評価額の1,000分の20(令和11年3月31日までは1,000分の15)、相続は1,000分の4、贈与は1,000分の20。司法書士報酬だけが自由化されているので事務所によって差がある。所有権移転で5万円から10万円程度が目安とされる。
名義人が亡くなっている場合。そのままでは売れない。先に相続登記で名義を相続人に移す。2024年4月1日から、相続で取得したことを知った日から3年以内の申請が義務になっている。
不動産そのものの価格ではない「相場」
ここには、不動産で「相場」という言葉で聞かれているが不動産そのものの価格ではないものが入る。
不動産の登記を頼む司法書士報酬の相場は、登記の種類と不動産の個数で変わる。所有権移転登記で5万円から10万円程度、抵当権抹消で1万円から2万円程度が目安とされるが、報酬は自由化されているので事務所によって差がある。登録免許税は法律で決まっているので、見積書ではこの2つが分けて書かれているかを確認する。
立退料には法律上の基準がない。借地借家法第28条は、建物の賃貸借の解約の申入れには正当の事由が必要であるとし、財産上の給付をする旨の申出をしたことも正当の事由の判断において考慮されると定めている。つまり立退料は、それ単独で退去を求められる根拠ではなく、正当の事由を補完するものと位置づけられている。金額は、移転にかかる実費、借家権の価格、営業の補償などを積み上げて交渉で決まる。
持分の売却は、共有者の同意がなくても自分の持分だけなら売れる。ただし持分だけを買う相手は限られ、価格は持分割合に応じた金額より大きく下がる。共有を解消したいのであれば、他の共有者に買い取ってもらう、全員で第三者に売る、共有物分割請求をする、という順に検討する。
報酬は自由、登録免許税は一律
所有権移転登記で5万円から10万円程度が目安とされるが、報酬は自由化されているので事務所によって差がある。これとは別に登録免許税がかかり、そちらは法律で決まっているので誰に頼んでも同じである。
自分の持分だけなら、同意がなくても売れる
共有者の同意がなくても自分の持分だけなら売れるが、買う相手が限られるため、持分割合に応じた金額より大きく下がる。共有の解消が目的なら、他の共有者への売却、全員での第三者への売却、共有物分割請求の順に検討する。
不動産の立退料に、法律上の基準はない
法律上の基準はない。借地借家法第28条は、建物の賃貸借の解約の申入れには正当の事由が必要とし、財産上の給付の申出も判断において考慮されると定めている。立退料だけで退去を求められる根拠にはならず、移転の実費、借家権の価格、営業の補償などを積み上げて交渉で決まる。