不動産を売る

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- 売却方法
- 売却相場
- 売出価格
- 売却活動
- 複数社
- 査定額
- 土地売却
- 境界
- 事前準備
- 相談先
不動産を売るとき、最初に決めること
不動産の売却は、どの形で業者に依頼するかを決めるところから始まる。宅地建物取引業法第34条の2が定める媒介契約には3種類ある。
不動産の専属専任媒介は1社にだけ依頼し、自分で買主を見つけた場合もその業者を通す。不動産の業者は5日以内にレインズへ登録し、1週間に1回以上、業務の状況を報告する義務を負う。専任媒介も1社にだけ依頼するが、自分で見つけた相手とは直接契約できる。登録は7日以内、報告は2週間に1回以上。一般媒介は複数社に同時に依頼でき、レインズへの登録義務も報告義務もない。専属専任と専任の有効期間は3か月を超えることができない。
不動産は「複数社に頼めば早く売れる」とは限らない。一般媒介では各社が広告費をかけにくく、レインズへの登録義務もないため、物件が業者間に出回らないことがある。逆に専任なら1社に責任が集まるが、その1社の力量に結果が左右される。どちらが正しいという答えはなく、物件の売りやすさと、自分がどこまで関与するかで決まる。
その不動産が売れる状態になっているかも先に確かめる。登記の名義が自分になっているか。不動産を不動産を相続で取得したなら相続登記は済んでいるか。抵当権が残っているなら、売却代金で完済して決済日に抹消できるか。共有なら他の共有者全員の同意が取れるか。境界は確定しているか。ここが詰まっていると、買主が見つかっても決済まで進まない。
売却の途中で判断能力が失われた場合は、本人が売買契約を結べなくなる。成年後見人を選任してもらう必要があり、居住用の不動産を売るには家庭裁判所の許可も要る。入院中であっても、本人の意思が確認できるなら委任状によって代理人を立てて進められる。
不動産で損が出たときも申告する意味がある。譲渡損が出た場合、原則として他の所得と損益通算はできない。ただし居住用財産については、一定の要件を満たせば損失を給与所得などと通算し、通算しきれない分を翌年以後3年間繰り越せる特例がある。この特例も申告しなければ適用されない。
不動産の持分だけを売ることもできる。共有の不動産は、他の共有者の同意がなくても自分の持分だけなら売れる。ただし持分だけを買う相手は限られるため、価格は持分割合に応じた金額より大きく下がる。共有の解消が目的なら、他の共有者に買い取ってもらう、全員で第三者に売る、共有物分割請求をする、の順に検討する。
不動産の減価償却は取得費に効く。建物の取得費からは、所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算する。長く持っていたほど取得費が小さくなるので、同じ価格で売っても譲渡益は大きく出る。賃貸に出していた不動産では実際に計上した減価償却費が、自宅では非事業用の計算方法による額が使われる。
不動産会社を選ぶときに見るところ。大手か地元かではなく、同じ地域・同じ種類の成約事例を何件示せるかで見る。争いになっている不動産(相続でもめている、共有者と話がつかない、境界で対立している)は、先に弁護士に整理してもらわないと不動産会社では前に進まない。
不動産を売るときにやることを順に。① 手元を確かめる(登記識別情報、購入時の売買契約書、固定資産税の納税通知書、間取り図)② 相場を調べる(不動産情報ライブラリ、成約統計)③ 複数社に査定を依頼する④ 媒介契約を結ぶ⑤ 売り出す⑥ 内見に対応する⑦ 申込みを受けて条件を詰める⑧ 売買契約⑨ 抵当権抹消と引越しの準備⑩ 決済と引渡し⑪ 翌年に確定申告。⑪まで含めて1つの取引である。
売却益は分離課税である。不動産の譲渡所得は給与などとは分けて計算するので、給与が高いほど税率が上がるという累進の形にはならない。税率を決めるのは所有期間のほうで、譲渡した年の1月1日時点で5年を超えるかで長期と短期に分かれ、10年を超える居住用財産にはさらに軽減税率の特例がある。分離課税なので年末調整では処理できず、自分で確定申告する。
名義人が亡くなっている不動産は、そのままでは売れない。先に相続登記で名義を相続人に移す。2024年4月1日から、相続で取得したことを知った日から3年以内の申請が義務になっている。相続人が複数いれば、遺産分割協議で誰の名義にするかを決めてから売る。
年金や社会保険への影響。譲渡所得は合計所得金額に含まれるので、国民健康保険料や後期高齢者医療の保険料、介護保険料の算定に影響することがある。扶養の判定にも影響する。3,000万円の特別控除などで課税所得がゼロになれば影響しない。老齢年金そのものが減ることはない。
法人が売る場合。個人の譲渡所得は分離課税だが、法人は他の損益と通算されて法人税の対象になる。3,000万円の特別控除や住宅ローン控除は法人では使えない。
引渡しの前後にやること。電気・ガス・水道は引渡しの日を基準に、売主が停止し、買主が開始する。売主が先に止めると買主が入居前の確認をできなくなるので、日付を合わせる。火災保険は解約して残りの期間に応じた保険料の返還を受ける。担当者を替えたいときは会社に伝えれば替えてもらえる。
不動産の売却で使える優遇の一覧。居住用財産を売ったときの3,000万円の特別控除、10年を超えて所有した居住用財産の軽減税率、特定の居住用財産の買換えの特例、譲渡損失の損益通算と繰越控除、相続した空き家を売ったときの特別控除。どれも要件があり、申告しなければ適用されない。所有期間が5年以内なら短期譲渡所得となり税率が高くなるので、売る時期は1月1日を基準に数える。
不動産で損が出たときの確定申告。譲渡損は原則として他の所得と通算できないが、居住用財産については一定の要件を満たせば給与所得などと通算し、通算しきれない分を翌年以後3年間繰り越せる。マイナスでも申告する意味があるのはこのためである。
不動産をどこに頼むかを決める材料。会社の規模ではなく、同じ地域・同じ種類の成約事例を何件示せるか。媒介契約の種別(専属専任・専任・一般)と、報酬の額と支払時期は媒介契約書に書かれる。担当を替えたいときは会社に伝えれば替えてもらえる。キャンペーンで手数料を割り引く会社もあるが、広告をどこまで出すかと合わせて見る。
不動産の引渡しの前後。電気・ガス・水道は引渡しの日を基準に、売主が停止し、買主が開始する。売主が先に止めると買主が入居前の確認をできなくなるので日付を合わせる。火災保険は解約して残りの期間に応じた保険料の返還を受ける。
不動産を売るときの手順を、もう一度短く。手元を確かめる → 相場を調べる → 複数社に査定 → 媒介契約 → 売り出し → 内見対応 → 申込み → 売買契約 → 抵当権抹消の準備と引越し → 決済と引渡し → 翌年に確定申告。最後の確定申告まで含めて1つの取引である。
売れるまでの期間。買主が現れるまでの期間は読めない。不動産流通機構が公表している成約統計に成約までにかかった日数が載っているので、自分の地域と種類の平均を確かめられる。買主が決まってからは契約から決済まで1か月から2か月で、ここは読める。
依頼先を決める材料。同じ地域・同じ種類の成約事例を何件示せるか。媒介契約の種別と報酬の額・支払時期は媒介契約書に書かれる。担当を替えたいときは会社に伝えれば替えてもらえる。手数料を割り引くキャンペーンもあるが、広告をどこまで出すかと合わせて見る。
不動産の売却を、わかりやすく3行で。① 相場を調べて、複数社に査定を頼む。② 1社(または複数社)と媒介契約を結んで売り出す。③ 買主が決まったら契約 → 決済 → 引渡し → 翌年に確定申告。読めないのは②で買主が現れるまでの期間だけで、あとはおおむね日数が決まっている。
売却で用意する必要書類。登記識別情報(または権利証)、実印と印鑑証明書(発行から3か月以内)、固定資産評価証明書、本人確認書類、建築確認済証と検査済証、マンションなら管理規約と維持費の資料、そして購入時の売買契約書(譲渡所得の取得費の証拠になる)。共有なら共有者全員の実印と印鑑証明書が要る。
担当や会社を替えるとき。媒介契約は会社との契約なので、担当を替えたいなら会社に伝えれば足りる。会社ごと替えるなら、専任・専属専任でも所定の手続きにより解除できる。連絡が来ないと感じたら、専任・専属専任には報告義務があるので業務の処理状況の報告を求めてよい。
利点
- (これから書きます)
注意すべき点
- (これから書きます)
詰まるところは決まっている
登記名義が自分か、相続登記は済んでいるか、抵当権を決済で抹消できるか、共有者全員の同意が取れるか、境界は確定しているか。この5つが整っていないと、買主が見つかっても決済まで進まない。
複数社に出せば早く売れる、とは限らない
一般媒介では各社が広告費をかけにくく、レインズへの登録義務もないので、物件が業者間に出回らないことがある。専任なら1社に責任が集まるが、その1社の力量に結果が左右される。
売却益で扶養から外れることがある
譲渡所得は合計所得金額に含まれるため、扶養の判定に影響する。特別控除を適用した後の金額で判定されるので、3,000万円の控除で所得がゼロになれば影響しない。国民健康保険料の算定にも影響しうる。
媒介契約の種類で決まる
1社に任せるなら専任か専属専任、複数社に出すなら一般媒介になる。専任系はレインズへの登録義務と報告義務があるので、動きが見える。一般媒介は登録義務も報告義務もないため、各社が広告費をかけにくい面がある。
判断能力が失われると、本人では売れなくなる
売買契約は意思能力がなければ結べない。成年後見人の選任が必要になり、居住用不動産を売るにはさらに家庭裁判所の許可が要る。意思が確認できるうちであれば、委任状で代理人を立てて進められる。
委任が要る
登記名義人でなければ売れない。家族であっても、本人の委任状(実印・印鑑証明書付き)がなければ手続きできない。相続した不動産なら、先に相続登記で名義を移す。
個人が自宅を売るのに消費税はかからない
土地の売買は消費税が非課税である。建物には課税されるが、売主が個人で事業として売っているのでなければ課税事業者にあたらないため、消費税はかからない。売主が業者の場合は建物部分に課税される。
なぜ翌年に上がるのか
所得税は売った年の翌年3月15日までに納め、住民税はその後6月ごろに通知が来る。譲渡所得が住民税の課税所得に加わるため、売却の翌年度に上がる。3,000万円の特別控除などで課税所得がゼロになれば上がらない。
売主にクーリング・オフはない
宅地建物取引業法第37条の2のクーリング・オフは、宅地建物取引業者が売主で、買主が業者でなく、かつ事務所等以外の場所で申込みをした場合に買主を保護するための制度である。個人が自宅を売る場面には適用されない。媒介契約は、専任・専属専任でも所定の手続きにより解除できる。
売ってから住み続ける
リースバックという形がある。不動産を売却して代金を受け取り、買主と賃貸借契約を結んでそのまま住み続ける。所有権は移るので固定資産税の負担はなくなるが、家賃が発生し、契約期間が定期借家であれば期間満了で退去することになる。
買取と仲介は、何が違うのか
仲介は「買う人を探してくる」形で、買取は「不動産会社そのものが買う」形である。この違いから、期間、価格、責任のすべてが変わる。
期間——不動産の仲介は買主が現れるまで待つ。買取は相手が決まっているので、査定から決済まで1か月を切ることもある。
価格——買取は仲介で売れる価格のおおむね7割前後が目安とされる。安くなるのには理由がある。買い取った会社はリフォームして再販するので、その費用、資金の負担、再販時の仲介手数料、売れ残るリスクをすべて自分で抱える。不動産の仲介手数料がかからないから得、という単純な話ではない。
責任——不動産ではここが実は大きい。個人が個人に売れば、引き渡したあとで雨漏りや設備の不具合が見つかったときに契約不適合責任を問われることがある。買主が宅地建物取引業者であれば、その責任を負わない特約を結ぶことが一般的で、売ったあとの心配が残らない。不動産としては古い家、手を入れていない家、相続して中の状況が分からない家では、この点が価格差を上回ることがある。
不動産には買取保証という中間の形もある。まず仲介で売り出し、決めておいた期限までに売れなければその会社が買い取るというものである。高く売れる可能性を残しつつ、最低限の出口を確保できる。ただし保証価格は通常の買取価格と同じかそれ以下になる。
不動産の買取を断られることもある。不動産として再販の見込みが立たない立地、再建築不可、権利関係が整理されていない物件は、買取業者も引き受けない。断られたことは、仲介でも売りにくい物件だという情報でもある。
不動産の買取のメリットとデメリットを並べる。メリットは、期間が読めること、仲介手数料がかからないこと、内見の対応が要らないこと、近隣に知られずに売れること、そして買主が業者であれば契約不適合責任を負わない特約を結ぶのが一般的で売ったあとの心配が残らないこと。デメリットは、価格が仲介の7割前後まで下がること。この一点に尽きる。
不動産の買取業者はどう儲けているのか。買い取った不動産をリフォームして再販する。仕入れと再販の差額から、リフォーム費用、保有期間の資金コスト、再販時の広告費と仲介手数料、売れ残るリスクを引いた残りが利益になる。買取価格が下がるのは、この全部を業者が抱えるからである。
訳ありの不動産を専門に扱う会社がある。再建築不可、事故物件、共有持分だけ、借地権付き、境界が確定していない——一般の仲介では買主が付きにくい不動産を扱う。ただし価格はさらに下がるので、まず通常の仲介と買取で当たってから検討する。
不動産の買取業者の利益率。仕入れと再販の差額から、リフォーム費用、保有期間の資金コスト、再販時の広告費と仲介手数料、売れ残るリスクを引いた残りが利益になる。買取価格が仲介の7割前後まで下がるのは、この全部を業者が抱えるからである。再販がうまくいかなければ業者側が損をする。
買取を断られる不動産もある。再販の見込みが立たない立地、再建築不可、権利関係が整理されていない物件は引き受けられない。断られたことは、仲介でも売りにくい不動産だという情報でもある。権利関係の整理や境界の確定など、先に手当てすべきことがないかを確かめる。
不動産に残した家財と入金。家財を残したまま引き渡せるかは、契約でどう定めたかによる。買取では残置物ごと引き取る条件にできることが多く、そのぶん価格に反映される。代金は決済の日に振り込まれる。着金を確認してから鍵と関係書類を引き渡すので、その場で通帳やネットバンキングを確認することになる。
不動産の買取の仕組みを、業者側から見る。仕入れ → リフォーム → 再販、が基本の流れである。仕入れの資金は金融機関からの融資で賄うことが多く、保有している間の金利が費用になる。再販が長引けば金利と管理費が積み上がるので、再販の見込みが立たない不動産は買い取らない。これが断られる理由である。
不動産の買取価格の根拠を聞く。「7割」という数字は目安であって決まりではない。再販しやすい立地なら8割を超えることもあり、手を入れる範囲が大きければ6割を下回ることもある。まず不動産情報ライブラリで近隣の成約価格を見て仲介で売れる水準の見当をつけ、複数社の買取査定と比べる。1社だけの提示額では高いか安いか判断できない。
不動産の買取でもめないために。飛び込みの訪問や電話で買取を持ちかけられた場合、その場で決めない。国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで免許の実在と行政処分の履歴を確認できる。残置物をどうするか、代金がいつ入金されるかは契約書に書く。
利点
- (これから書きます)
注意すべき点
- (これから書きます)
なぜ安いのか
買い取った会社は、その不動産をリフォームして再販する。その費用、資金の負担、再販時の仲介手数料、売れ残るリスクをすべて自分で抱える。その分が価格に反映される。
実在は国のシステムで確かめられる
国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで、商号、代表者名、免許の有効期間、行政処分の履歴まで確認できる。飛び込みのチラシや手紙で持ちかけられた場合も、複数社から査定を取って水準を確かめてから判断する。
7割は目安でしかない
再販しやすい立地なら8割を超えることもあり、手を入れる範囲が大きければ6割を下回ることもある。まず不動産情報ライブラリで近隣の成約価格を見て、仲介で売れる水準の見当をつけてから比べる。
買主が業者なら、引渡し後の責任が残らないという利点がある
個人が個人に売った場合、引渡し後に不具合が見つかれば契約不適合責任を問われうる。買主が宅地建物取引業者であれば、その責任を負わない特約を結ぶのが一般的である。古い家や相続で中の状況が分からない家では、この点が価格差を上回ることがある。
断られたということの意味
再販の見込みが立たない立地、再建築不可、権利関係が整理されていない物件は、買取業者も引き受けない。断られたことは、仲介でも売りにくい物件だという情報でもある。権利関係の整理や境界の確定など、先に手当てすべきことがないかを確かめる。
期間・価格・責任
期間、価格、責任の3つが変わる。買取は相手が決まっているので早い。価格は仲介の7割前後が目安。そして買主が業者であれば契約不適合責任を負わない特約を結ぶのが一般的で、売ったあとの心配が残らない。
売っても住み続けられる
売却して代金を受け取り、買主と賃貸借契約を結んでそのまま住み続ける。所有権が移るので固定資産税の負担はなくなるが、家賃が発生する。定期借家契約であれば期間満了で退去することになるため、契約の種類を必ず確かめる。
仲介と買取の中間
まず仲介で売り出し、決めておいた期限までに売れなければその会社が買い取るという形。高く売れる可能性を残しつつ最低限の出口を確保できる。ただし保証価格は通常の買取価格と同じかそれ以下になる。
契約で気をつけること
不動産の売買契約で売主が最も注意すべきなのは、契約不適合責任をどこまで負うかである。
2020年4月施行の改正民法により、不動産の取引でも、かつての瑕疵担保責任は契約不適合責任に変わった。引き渡された物が種類・品質・数量について契約の内容に適合しない場合、買主は追完の請求、代金の減額、損害賠償、契約の解除を求めることができる。
要点は、その不動産の何をもって「契約の内容に適合しない」とするかが契約書の記載で決まるという点にある。その不動産に築年数なりの傷みがあることを契約書に書いておけば、それは契約の内容に適合している。知っている不具合は、隠さずに書く。隠して引き渡すと、特約で責任を免れることができなくなる。
売主が個人の中古住宅では、責任を負う期間を引渡しから3か月に限る、あるいは負わないとする特約が置かれることがある。ただし売主が宅地建物取引業者で買主が業者でない場合は、引渡しの日から2年以上とする特約を除いて、民法の規定より買主に不利な特約は無効になる(宅建業法第40条)。
利点
- (これから書きます)
注意すべき点
- (これから書きます)
知っている不具合は、隠さずに書く
契約不適合責任は「契約の内容に適合しないか」で判断される。築年数なりの傷みを契約書に書いておけば適合していることになる。逆に、知っている不具合を隠して引き渡すと、特約で責任を免れることができなくなる。
買う側の注意点も知っておく
不動産を売る側であっても、買主が何を気にしているかを知っておくと交渉が早い。
不動産の買主が確かめるのは、その不動産の登記名義が売主本人か、抵当権が決済で抹消できるか、境界が確定しているか、越境物がないか、設備に不具合がないか、そして住宅ローンが通るかである。
このうち不動産の売主側であらかじめ整えておけるものが多い。境界を確定しておく、設備の不具合を書き出しておく、管理費や修繕積立金の滞納があれば清算しておく。買主の不安が減れば、値引きの理由も減る。
利点
- (これから書きます)
注意すべき点
- (これから書きます)
仲介で出しながら、買取も持っておく
不動産の仲介と買取は、どちらかを選ぶものとは限らない。
まず不動産を仲介で売り出し、一定の期間で売れなければ買取に切り替える、あるいは買取保証を付けておくという進め方ができる。
判断の分かれ目は不動産を現金に換える期限があるかどうかである。住み替えの決済日が決まっている、相続税の納付期限が迫っているといった事情があるなら、出口を先に確保しておく意味は大きい。期限がないなら、仲介でじっくり出したほうが手取りは増える。
「7割」の扱い方
買取価格は仲介で売れる価格のおおむね7割前後、とよく言われる。ただしこれは目安であって、不動産の状態と立地で動く。
再販しやすい立地なら8割を超えることもあり、手を入れる範囲が大きければ6割を下回ることもある。不動産の7割という数字だけを持って交渉しても意味がない。まず不動産情報ライブラリで近隣の成約価格を見て、仲介で売れる水準の見当をつける。そのうえで複数社に買取査定を出してもらえば、その水準からどれだけ離れているかが分かる。
業者を見る2点
不動産の買取業者を選ぶときに客観的に確かめられるのは、免許番号と、買取の実績である。
免許番号は国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで実在を確認できる。不動産業を営むには免許が要るので、そこに出てこなければ免許を受けていない。商号、代表者名、免許の有効期間、行政処分の履歴まで出てくる。
飛び込みのチラシや手紙で不動産の買取を持ちかけてくる業者もある。違法ではないが、相手から来た話に乗る前に、複数の不動産会社から査定を取って水準を確かめる。1社だけの提示額では、それが高いのか安いのか判断できない。